2015年05月29日

密教秘術のクトゥルフ神話呪文化

 大学の講義の関係で密教に関する本を読んでいたのですが、なんか霊薬を得られる修行方法があるみたいな話があったので、CoCの呪文っぽく表現しようと思います。

 虚空蔵菩薩の神薬の生成
 この霊薬は服用すると限りない知恵と記憶力を得ることが出来るとされている。事実、密教の逸話には大量の書物を暗記し人々に説いてまわった形式のものが少なくなく、通常の修行方法として膨大な経文を暗記することを取り入れている地域もある。
 この神薬を服用した人間で一番有名なのは空海であろう。ただし、彼は後述するような物体としての神薬を飲んだのではなく、口の中に明星が飛び込む神秘体験によって薬効が引き起こされている。
 この神薬を作るには、まず虚空蔵求聞持法と呼ばれる修法を修める必要がある。その方法は別項に記した。というのも、この修法それ自体に記憶力増幅の効果があり、独立した1つの呪文として扱えるからだ。
 虚空蔵求聞持法を完全に修め、陀羅尼の読誦が百万に達したらこの神薬を作る牛蘇加持法へ移行する。
 加持を行う日は月食か日食である必要がある。その日に、銅製の鍋に牛乳を煮詰めて作った牛蘇、今でいうバターのようなものを入れる。そして密教寺院で護摩木を燃やす際に用いられる乳木で牛蘇を撹拌し陀羅尼を唱える。
 牛蘇に熱や火、煙がみられたら新薬が完成したことになる。
 新薬を飲んだ場合、その者のINTが1D6+6上昇する。またEDUが2D6+3上昇する。さらに<クトゥルフ神話>に+10%する。
 この神薬を作る際にSANなどはコストにならない。

 虚空蔵求聞持法
 この修法は陀羅尼を百万遍唱えることで記憶力の増強を図るものである。
 まず修法を行う場所として閑静な空間を選び、虚空蔵菩薩の画像を掛ける。
 次に、「ナウボアキャシャキャラバヤオンアリキャマリボリソワカ(蓮華の花で飾られた冠をいただく虚空蔵菩薩に帰依します)」という陀羅尼を百万遍唱える。重要なのは、百万遍に一遍でも欠けてはならず、多くてもダメだという点である。しかもこの修法は百日あるいは五十日で終わらなければならない。
 百日であれば、一日に十時間唱えればよい計算になる。五十日では単純に倍であり、修行者への負担は増大する。この修法は破戒僧の粛清にも使われ、死亡率が五割に達するという資料もある。
 実際に探索者がこの修法を百日間でにせよ五十日間でにせよ行うなら、CON*nのロールを5回行う必要がある。nの値は、五十日間であれば5回とも1であり、百日間なら5から始まり1回ごとに1減らす。ロールに失敗すれば、五十日間であれば1D6の耐久力とPOWを失い、百日間であれば1D3の耐久力と1のPOWを失う。また1回失敗するごとに五十日間であれば1D10の、百日間であれば1D4の正気度を失う。
 5回のロールのあとに、HPとPOWが残っていれば成功となる。途中で不定の狂気に陥った場合は、その時点で修法を辞めることが出来るが、そのまま続けても構わない。
 成功した場合、INTが2D6+6上昇する。
ラベル:魔導書
posted by 新橋九段 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオフック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月29日

「久遠寺産院の怪・私の赤ちゃんはどこへ?」月刊マー13年7月号より

 「久遠寺産院の怪・私の赤ちゃんはどこへ?」月刊マー13年7月号より
 「私の赤ちゃんがいないんです……生まれたはずの赤ちゃんが!」
 編集部に悲痛なメールが届いたのはあるじとじととした雨の日のことだった。本紙記者は早速メールに書かれていたことの真相を確かめるために、送信者である夫婦の元へ向かった。
 メールをくれたのは東京某所に棲む新婚夫婦だ。早速話を聞かせてくれたが、奇妙な点があった。
 彼らによれば、夫婦は5月ごろ都内のK産院で赤ん坊を出産した。しかし悲劇的にも、出産は死産に終わってしまったという。ここまでは夫婦の証言に争いはない。
 しかしここから食い違う。妻が話すことには、出産時には確かに赤ん坊の産声を聞いたという。しかも、出産後しばらくは赤ん坊と並んで寝かされており、はっきりとその姿を見たという。
 夫が話すには、赤ん坊は最初から死産と伝えられたという。なお、夫は出張で東京を離れており、K産院に到着したのは出産から3日後のことであったが、その時初めて出産の顛末を聞かされたという。
 これは一体どういうことだろうか。
 妻は本紙記者に、是非とも赤ん坊の居所を掴んでほしいと藁にもすがる様子だった。一方の夫は、妻の記憶は死産のショックで書き変わってしまったのではないか、本紙記者に話して気が済むならそうさせてやりたかったと述べた。
 夫婦の話が矛盾なく繋がる唯一の可能性は、K産院の医師が一旦取り上げた赤ん坊を何らかの過失で死なせてしまい、誤魔化そうと決め込んだというパターンである。
 しかし妻には一度赤ん坊を見せている。そのようなことが可能なのだろうか?
 本紙ではお馴染みの、心理学者S氏によれば、人間の記憶というのは非常に脆く、改変が容易なのだという。例えばアメリカでは、催眠術師の処置によりありもしない虐待の記憶を思い出した事例が相次いだということがある。しかし改変にも時間がかかり、数日で思い通りの記憶へ変質させることは不可能だろうとのことだった。
 産声をあげた赤ん坊はどこへ行ったのだろうか。それともこの赤ん坊は死して生まれ、母親にしか聴こえない産声をあげたのだろか。

 「続報・K産院の奇怪な噂 20か月妊娠する妊婦」月刊マー13年8月号より
 先月K産院で消失したという赤子の話を本紙は報じた。本紙記者がその後も取材を続けたところ、K産院にまつわる奇妙な噂をいくつか耳にした。
 まず、K産院を経営する一族は元々四国の出身であったが、憑き物筋と呼ばれる、魑魅魍魎の類を使役して人々を呪う能力のある一族だという噂があるのだ。
 憑き物筋というのは、その一族ごとに使役する妖怪が決まっている。K産院の一族の場合は、なんと水子の霊を使役するという。
 子供を産む産院を経営する一族が、生まれてこなかった子供の霊を使役するというのは、何とも気味の悪い一致である。
 また、現在のK産院の院長には娘が2人いるが、妹の方も奇妙な状態にあるという。
 なんでも、子を身ごもって早20か月になるのに、一向に生れる兆候すらないというのだ。近隣住民の噂によれば、彼女の腹は異常なほどに腫れ上がり、少しつついたら爆ぜるのではないかというほどになっているという。
 いったいなぜ、彼女の体はこのような状態になってしまったのだろうか。
 噂はこのように続く。彼女の夫が姿をくらまし、どこかに隠れて彼女を呪い復讐しているのだ、と。
 噂によれば、彼女の夫は彼女の妊娠が発覚したのと同時に行方不明になっているらしい。この夫婦は元来不仲で、妻はK産院に勤める他の医師と関係があったとすら言われている。
 妻の仕打ちに耐え兼ねて家を出て、彼女へ復讐を行っているというのは実に理にかなった説明である。

 先月K産院に関する記事を掲載したあと、同じくK産院で出産したものの死産と言われた夫婦2組からメールをいただいた。また、警察筋からK産院で勤務経験のある看護師が変死体で見つかったという情報も掴んでいる。これらを含め、本紙は今後もK産院を取り巻く怪奇の正体を暴くために全力で取材を続けていく。

 京極夏彦『姑獲鳥の夏』 某大学生協のPOPより
 普通のミステリーに飽きた人にこそ読んでほしい。ミステリーのトリックは読者を納得させなければならない。ではこのトリックはどうだろう。普通に提示されれば間違いなく駄作の烙印を押されていただろう。しかし作品に漂う怪異的な雰囲気がこの突拍子もないトリックに説得力を与えてしまう。
 投稿者 E・Sさん 心理学部4年
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオフック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月27日

「片割れ連続殺人事件・八つ墓明神祭の夜の恐怖」月刊マー14年9月号より

「片割れ連続殺人事件・八つ墓明神祭の夜の恐怖」月刊マー14年9月号より
 八つ墓明神祭―山口県の寒村で行われる、8人の落ち武者の霊を弔う奇祭である。本誌連載『日本の奇祭へ』取材チームの仕事は、この祭りの取材し、いつもの通り連載記事を書き上げることだった。もっとも、その祭りで起きた奇怪な出来事のせいで、その仕事は叶わなくなってしまったのだが……。
 八つ墓明神祭は毎年8月のお盆の時期に行われる。私たちはこの祭りの主催者であるT家の長男にアポイントメントを取り付け、会場となる村に向かった。
 JRの最寄り駅から車でおよそ3時間、村ではT家と並び立つ権力者であるN家の者に案内され山道を進んだ。
 村に入るなり熱烈な歓迎を受けた。無論皮肉である。小汚い格好の尼がいきなり私たちに近づいてきて「よそ者がここへ来てはならん!祟りが始まるぞ!引き返せ!」などと罵っていったのだ。N家の者によれば、彼女は村でも評判の悪い気の狂った尼らしい。我々はそうならばと特に気にすることもなかった。
 今思えば、この尼の言うことは全くの正論であった。あの時引き返しておけば、このような陰惨極まりない事件に巻き込まれることもなかったはずなのに。
 しかし考えてみてほしい。狂人の忠告を一体誰が真面目に受け取るだろうか。
 そう考えると、人々を通り越して真実を知ってしまった者は、凡人には狂人としか受け取れないのかもしれない。

 私たちはN家の案内でT家に通された。通された居間には、この事件の主役となる人々がそろっていた。
 まずはT家の長男。彼は末期がんらしく、床に臥せってそこから出ることがまずない。
 次にT家の双子の老婆。この双子は気味が悪いほど似通っていて、家の者にすら区別がつかないという。長男の病状もあり、実質の主権者はこの老婆たちである。
 そして長男の娘たち。驚くべきことに、彼女たちも双子である。T家には双子を生じやすい遺伝的な要因があるのかもしれない。
 T家の近くの寺に住むという尼も同席していた。当然この尼は先程の尼とは違う、礼儀正しい方であった。
 私たちを案内してくれたN家の者も、N家の長男で家長であるらしい。
 最後に私たちの取材チームを紹介しておこう。何故なら、この取材チームの構成こそ事件の鍵となるものであったからだ。
 まずは私、本誌連載『日本の奇祭へ』取材チームのメンバーの中では最年少の女性記者である。
 次にH、取材チームでは最年長であり、連載のとりまとめ役でもあった男性だ。
 普段私たちは2人1組で取材にあたる。なので予定ではこの2人で現地に乗り込む予定であったが、祭の主催から、何人か祭の見物人になるような人を連れてくることを取材の条件とされた。
 なのでHのつてで大学生を2人連れていくことになった。Aとその後輩であるBである。ちなみにAは男でBは女だ。
 ここで今まで登場した人々をよく思い出してみてほしい。奇妙な共通点に気が付かないだろうか。

 この事件に関わった人々は皆「ペア」になっていたのだ。
 まずT家とN家それぞれの長男、T家の双子の老婆、同じくT家の双子の娘たち、気の狂った尼と礼儀正しい尼。そして私たちは取材チームと大学生でそれぞれ男女のペアになっている。
 片割れ連続殺人事件、つまりこのペアの片方ずつが順番に殺されていくのだ。しかも、その狂気の事件は私たちが村に入った時には既に始まっていたのだ……。
(10月号に続く)
※お詫び
 誠に申し訳ありませんが、諸事情により連載『日本の奇祭へ』は一時休止させていただきます。

 お詫び 月刊マー14年10月号より
 誠に申し訳ありませんが、先月号で予告していました「片割れ連続殺人事件・八つ墓明神祭の夜の恐怖」の続編は、担当記者の健康問題により中止させていただきます。
 また一時休止とさせていただいていた連載『日本の奇祭へ』は連載終了とさせていただきます。
 来月号からは連載『こんなところに!秘密結社暗号FILE』を2ページ増量してお届けします。ご期待ください。

 月刊マー記者の退職願より抜粋
 誠に申し訳ありませんが、本日付で中学館ならびに月刊マー編集部を退職させていただきます。
 折角いただいた連載を放り投げ、その後始末である記事も満足に書けなかったことを深く反省しております。
 しかし私にはできません。続きを書こうとしても書けないのです。あの夜に出会った落ち武者の甲冑が歩く音が耳にこびりついて離れません。いまこうしてこの文章を書いている間にも、その体の一部にせんと私を襲ってくるかもしれないと考えてしまいます。
 私の気は、あの尼と同じように狂ってしまったのかもしれません。
 しばらくは精神病院で過ごし、回復を待ちたいと思います。なんとなくですが、病棟には落ち武者の甲冑は来ない気がしますので。

 横溝正史『八つ墓村』 某大学生協POPより
 この前先輩に映画を見せられ見せてもらって、久しぶりに本を読んでみようかな?って思って手に取りました。昔の本だからというのもあるだろうけど、難しかったです。それに推理小説っぽくなくて、どっちかというとホラー小説っぽかったです。
 投稿者 アンブレラ子さん 文学部1年
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオフック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする