2016年01月29日

Copy__writingと痛々しい青春の受容

 数日前くらいだったか、コピペアカウントとして悪名高いCopy__writingが女子高生にインタビューを受け、潜在的なアンチに火が付き遂に大炎上という愉快な展開を迎えていた。
 きっかけとなったインタビュー記事は『@Copy_writing中の人インタビュー!「インターネットは、すべての話を良い方向に持って行こうとする傾向があるけど、暗いことは暗いことでいいじゃない、と言いたい」』で読める。コピペアカウントにむやみにインタビューした女子高生のリテラシーを責める向きもあるが、どちらかというとこれはアップロードまでにストップをかけられなかった大人の責任であるような気がしている。
 実はこの「大人」というのが案外厄介で、この事件に関して重大な意味を持つのだが、それは追々説明する。

 Copy__writingがウケたわけ
 そもそもの前提として、青春というのは基本的に痛々しいものであるということを主張しておきたい。
 というのも、元々私にはCopy__writingが人気を博す理由が、コピペ云々を除いてもわからなかった。あのアカウントで語られている言葉はえてして、耐え難いほど甘ったるく痛々しい。彼のコピペしたツイートは大量にあるし、有名なコピーの引用もどきもあるから、中には良いなと思う言葉もあるが、基本的には趣味じゃない。暇つぶしに見るというのならまだしも日常的にTLに流れていたら私は気が狂うだろう。
 だがここで、上掲のインタビュー記事を読んでなんとなくわかったことがある。Copy__writingの感性は多くの女子高生の感性に合致しており、概ね既存の概念、「青春」と表現しても差し支えないだろうということだ。
 女子高生の感性を青春と表現することには異論もあるだろうが、しかしこれには2つの理由をもって再反論したい。まず1つは、おそらくこれらの感性は一過性のものであり、過ぎ去るものだろうと考えられるからだ。女子大生くらいならまだCopy__writingをフォローしていそうだが、就職と共に数は減っていくのではないだろうか。30にもなってCopy__writingの感性と合致するとは考えにくい。
 もう1つの理由は、周囲の大人たちがまさに彼女たちの感性を青春として扱っていると想像できるからだ。なにせ記事を配信するサイトの名前からして「青春基地」だ。記事分類には「青春!」とピンポイントなものもあるが、それ以外が青春ではないという意味ではあるまい。

 青春は「イタイ」もの
 で、青春が痛々しいという主張に戻るが、なぜ青春が痛々しいのかといえば、それは青春が未成年にしか許されていない未熟さと地に足のついていない感性によって構成されているからに他ならない。コピペアカウントに会ってみちゃうのはまさに未熟さがなせる技だし、「何かに依存して生きている感覚が嫌い」というのも地に足のついていない感性そのものだろう。
 念を押しておきたいのは、だからと言ってこの記事を書いた女子高生を否定したいわけではないということだ。私が主張したいのはあくまで「青春がおしなべて痛々しい」ということである。
 中二病が痛々しいのはそれが青春の発露の一形態だからだし、運動部の青春だって痛々しい。甲子園レベルに痛々しさをあまり感じないのは、そこまで到達するためにすっかり未熟さを捨て去ってしまったからであり、地区大会に負けるレベルの運動部の痛々しさは中二病の比ではなかったりする。
 無論私の青春だって傍から見れば痛々しさの塊だっただろうし、今だって自分で気がついていないだけでイタイままかもしれない。おおこわ。
 ただ、青春の真っただ中にあるときは気がつかないのだ。青春からはじき出された時、初めてそれに気が付く。

 青春を礼賛する大人に気をつけろ
 だから、青年期に痛々しいのは何ら問題ではない。TPOの問題はあるだろうが、基本的にそれは青年の特権でもあるのだから、十分楽しんだ方がいい。
 問題は、大人になっても、痛々しいはずの青春を礼賛するような者が一定数いるということである。これにはおおよそ3つのタイプがある。これらは重複する場合もある、というか恐らくそういう場合の方が多いと思う。
 1つ目は、自分が十分に青春を楽しめなかったタイプだ。これはもう可哀そうなだけで、あまり害がないから同情と共に無視してやってほしい。
 2つ目は、金儲けに青春を利用せんと企むものである。丁度「青春基地」なるサイトを作成した大人たちのような人種だろう。これには少し気をつけた方がいい。青少年相手に商売しているうちはいいが、いずれ青春を崇めるような軽薄な文化を一般化し、青春を礼賛するどうしようもない大人を大量に生み出しかねない。
 3つ目は、青春真っただ中の青少年に近づくために青春の皮をかぶるものである。これは特に気をつけなければならないと、女性方に強く言っておきたい。というのも、こういう人間は同年代にはまず相手にされない者たちであり、大体そのことがわかっているために、自分より未熟な子供相手に威信を示し尊敬を買い、あわよくば喰ってやろうと考えているのである。本人たちに問えばさらさらそんな気はないというだろうが、自覚がないから当然である。まともな大人は、女子高生相手に偉そうにタメ口で語らない。
 まともな大人というのは青春が痛々しいことを知っているのであり、表だってそうは言わないかもしれないが、やんわりとそのことを青少年に伝えるものである。それが「早く大人になれ」みたいな物言いに表れているのだ。

 どうやって見分けるか
 とはいえ、いきなり気をつけろと言われても無理な話だろうから、不幸にも実態をそれなりに知っている者から出来る限りのアドバイスをしようと思う。
 1.女子高生に気安く話しかける男に気をつけろ
 まともな大人なら女子高生とは距離を取る。若い女性に下心を一切抱くなというのは無理だが、それを押し隠そうとはするだろう。万が一本当にそういう関係になったら社会的にやばいことを重々わかっているからだ。というか、まともな大人なら女子高生と付き合おうとは一切考えないものだ。せめて女子大生になるまで待つというものだ。
 ここで、偉そうにタメ口を聞いてくるとか、友達感覚で距離を急に近づけてくる男はまずダメだ。女子高生という存在に対する警戒心がまるでない証拠だろう。つまり、女子高生となんかあったらやばいなという感覚がないのだ。むしろそれを望んですらいる。
 2.お勧め本を即答できる男に気をつけろ
 お勧めの本や作家を聞かれて即答できる男はまず本をさほど読んでいないと思っていい。本を多く読んでいれば、一口小説といってもいろいろあり、適当に挙げたところで好みに合うことはまずないことを知っている。
 普段読んでいる本が小説と自己啓発だけというのも十分怪しむべきである。
 また、特定の作家で警戒するという手もある。これはもう直感になるが、太宰治の『人間失格』と三島由紀夫の『金閣寺』は見えている地雷である。特に『人間失格』を好む男子大学生に碌なのはいない。好きな作家に対してこんなことは言いたくないが、西尾維新の戯言シリーズもこの辺の枠組みに入ってしまった感じもある。『ドクラ・マグラ』や『罪と罰』も微妙か。要するに、異端者や自堕落なイメージの強い作家は危ないと思う。
 また又吉直樹の『火花』のような話題の文芸書も怪しむ方がいい。普段から本を読んでいれば流行りものをわざわざ推してくるとは思えない。
 逆に夏目漱石は安全そうだ。『坊ちゃん』好きの人間が女子高生に下心丸だしで近づくというのは考えにくい(もしそのようなことがあれば主人公にぶん殴られるべきである)。宮沢賢治もいいかもしれない。好きな本だといって、あまり恰好のつかないものがいいのかもしれない。
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2016年01月23日

四角館の密室 CATSプレミアムメンバー試験ヒント集

 綾辻行人原作のライブ型推理番組『四角館の密室殺人事件』の放送が本日21時に迫っています。
 この番組では、視聴者から推理を募集しますが、それに応募するにはCATSプレミアムメンバー試験に合格する必要があります。
 この試験、簡単ではあるんですがドツボにはまると苦戦しますし、ヒントをまとめている人も少なく、あったとしても完全ではないかほぼ答えかのどちらかなので、ここに記しておきます。

 Q1
 一番苦戦した。とにかくカルタ同好会云々は一切関係がないので、問題文の数式だけを注視しよう。
 この問題を厄介にしている最大の理由が、同じ概念を数字で表す際に、3つのうち一番右と左の数字での表し方と、真ん中の数字の表し方で違いがあるということである。
 左右の表し方は2桁だけでは成立しないというのが最大のヒントだ。もしかしたら、パソコンの画面を隅々まで見渡せば答えはあるかもしれない。

 鍵のありか
 これ以降の問題に移る前に、私がつまずいてしまった部分を書いておく。それは鍵のありかだ。
 この部屋には鍵のかかった部分が3つある。うち2つの鍵は鍵のかかったロッカーの中だからいいとして、問題は残る1つ。
 これは事件現場をぐるぐるしても見えるように置いてはいないので見つからない。調べられる箇所にカーソルを持っていくと虫眼鏡になることを利用して探そう。殺人現場でまず調べるべきなのは……。

 Q2
 これはヒント不要か。素直に空欄の漢数字を埋めればいい。

 Q3
 カタカナの背景の色が不明瞭でわかりにくいが、これは問題文にある色の順番を繰り返しているだけなので気にしなくていい。
 PDFの問題文を利用するのが便利だ。解明にとりかかる前に、ざっと眺めてみることもお勧めする。
 わざわざ印刷しなくても解ける程度の問題になっている。

 Q4
 これにはヒントは不要だろう。1つくらい見つからなくても予想できる。
 ただし、それぞれのシールは注意深く確かめること。

 Q5
 まずはロッカーの絵を見て、数字に対応するカタカナを埋めていこう。空欄にも対応する文字があるので注意すること。
 次に、Q2からQ4までの答えを変換する。あとはそれが意味する場所を探すだけである。
 少し厄介なのが、やはりQ2Q3が意味するものと、Q4が意味するものが違うということである。この2つは切り離して考えよう。
posted by 新橋九段 at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月30日

110番デマとクイズの基本

 この前流行った、110とプッシュして通話ボタンを押すと通信速度が速くなるというデマがありましたね。あれに対する反応としては、「気付けよ」「なんで騙されるんだよ」といったものが中心的でした。
 なんで通話すると通信制限が解除されると思ったのかという部分はさておいて、実はこのデマ、そこそこ巧妙に仕組まれています。その部分を今回は解説しましょう。
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 赤いニシン
 全天候型 史上最強のパズルランドという本があります。著者は芦ケ原伸之という、パズル制作の業界においては有名な人のようです。私は昔1回読んだだけですが、かなり面白いのでおすすめです。
 なぜ唐突にこんな本の話をしたかと言いますと、この本に出てくる「赤いニシン(レッドヘリング)」という技法がパズル作成に、そして今回のデマを分析する際に重要になってくるからです。
 ちょっとここで、以下の問題を考えてみてください

Q1 真っ黒な道に真っ黒な壁、そこに真っ黒な服を着て真っ黒な靴、真っ黒な髪をした真っ黒な男が立っていました。彼は突然かがむと、真っ黒な道に落ちていた真っ黒なボタンを拾い上げました。なぜそんなことが出来た?
Q2 ナポレオンはなぜ赤いベルトをしていた?

 Q1はかなり露骨なのでわかった人もいるかもしれません。正解は「真昼だったから」でした。問題文にしつこく出てきた「真っ黒」は、回答者に真っ黒な夜のような風景を想像させるためのミスリードだったわけです。このミスリードの部分を、赤いニシンと呼びます。
 この言葉の語源は、昔猟犬を訓練する際に使った、赤く塗って目立つようにしたニシンの燻製からだそうです。燻製の匂いに騙されることなく獲物にたどり着けば訓練が終わります。
 ではQ2はどうでしょうか。正解は「ズボンが大きかったから」です。問題文の「赤い」は、回答者の論点を「なぜ赤色なのか」という部分に引き込み「なぜベルトをしていたのか」から引きはがすためのものでした。

 1を2回の後に0
 では元のツイートに戻って考えてみましょう。
 まず注目すべきなのは、110とは一切書かれていない点でしょう。あくまで1を2回押した後に0を押すように書いています。110と書かれればすぐに警察への通報用番号だとわかりますが、この書き方だとちょっと考えないとわかりません。
 また、通話ボタンを押すまでに制限時間をかけている点も巧妙です。iPhoneではプッシュした番号はディスプレイに表示されますが、考える時間を奪うと同時にそこを確認する時間も奪っています。
 細かいことを言えば、「電話のキーパッドにする」という回りくどい表現で「電話をする」という発想に至らないようにも注意しています。

 デマに騙されないようにするために
 今回のデマに引っかかった人を嗤うのは簡単ですが、例えば大災害に巻き込まれた時など、非常時で余裕がないときには同じような愚かな間違いを犯してしまう可能性が誰にでもあります。
 非常時にそのようなデマに騙されないようにするには、デマを目にしないように対策することが大切です。具体的には、普段から出所不明な情報を垂れ流すようなアカウントのフォローを解除するといったことです。余裕のあるはずの平時ですらデマを垂れ流す人物が非常時にまっとうな情報源となる可能性はありません。
posted by 新橋九段 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする