2015年12月15日

ドラマ版『掟上今日子の備忘録』総評

 というわけで、実写ドラマ版『掟上今日子の備忘録』が最終回を迎えたので、軽く感想をまとめておきたいと思います。
 とは言っても、小説版を読んでない以上、語れることは少ないのですが。

 本作は、少なくともドラマとしては成功の部類に入るのではないかと思っています。単純に面白かったですし、実写ドラマにありがちな再現の甘さやオリジナルキャラクターの違和感もほとんどなかったです。視聴率は知りませんが、大河ドラマ『平清盛』以降そのドラマの出来と視聴率は関係がない、むしろいいドラマこそ視聴率が下がりかねないとすら思っているので気にする必要もないでしょう。
 結局のところ本作は、実写ドラマが成功するかどうかは役者と脚本にかかっているという当たり前の事実を確認させてくれました。そりゃ、メインキャストが新垣結衣と岡田将生では演技面で死ぬことはまずないでしょう。ジャニーズ枠はいざ知らず、新人枠であろう内田理央ですら仮面ライダーでの1年間の経験を経ての参加なので、安定感のある配役と言えるでしょう。
 脚本家の他の仕事を知りませんが、原作への尊敬の感じられる話の運び方で好感が持てました。須永作品を使ったセリフの遊びとかね。今日子さんの寝室の文字という、原作でも回収されていない謎は本作のような短期間の実写化作品では鬼門となる要素も綺麗に畳んでいきました。あれくらいスマートだとセカンドシーズンは期待できないかもしれませんが。
 原作者である西尾維新もそれなりに脚本に噛んでいるようですが、原作者と脚本家がうまくいかない作品の例も枚挙にいとまがないだけに、本作の成功を支えた要素なのでしょう。西尾維新は自身の作品のコミカライズにかなり積極的な人らしく、アニメ版『物語シリーズ』の副音声や予告編の台本を書いていたり、一度は阿良々木暦役の神谷浩史があとがたりの中で「原作者がこの収録を聞きに来ている」と言っていたこともありました。他にも、読んでいないので詳しくは知らないのですが漫画版『零崎双識の人間試験』でもオリジナルストーリーを書いているようです。

 こういう実写化の成功例があるからこそ、何も考えていないような駄作も量産されるわけでそこは悩ましいところですが、逆に言えば昨今の実写化ブームが無ければこのドラマも見られなかったかもしれないわけで……。
 ところで、年明けからの日テレのドラマは『臨床犯罪学者火村英生の推理』とかいうのがあるらしいですね。とんだ地雷かと思いきや原作は有栖川有栖の小説だそうで。犯罪学ブログの運営者としては是非押さえておきたいのですが、大河ドラマ『真田丸』とだだ被りなんですよね。どうしようかな……。
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ・映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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