2015年11月16日

Cat in the Mysteries of Religion and Magic

この記事で紹介する『Cat in the Mysteries of Religion and Magic』は、1930年にオカルト本を多く出版していたライダー社から出た、猫と魔術に関する書籍である。
 猫は魔術において多くの意味を持たされてきた。ある時はバステトと関連づけられ太陽の象徴として。ある時はフレイアとの関連から戦の神として。またある時はよく知られているように魔女の仮初の姿や、使い魔として。果てには、幸福の象徴であったり不幸の象徴であったりもした。
 猫は魔術において重要な意味を持ち、故にその性質を端的に語ることはできない。なので今回は、本書に登場する魔術やアーティファクトの中から興味深いものをいくつかセレクトして紹介した。ただし、本書は本物の魔導書である確証はなく、これらの魔術を行使しても期待される効果が得られない可能性もある。
 なお、本書は『猫と魔術と神話事典』として日本語訳されているが、不都合な記述の削除や原典が持っていたはずの呪術的な効果の喪失といった、魔導書の翻訳版にありがちな問題から免れていない。

 動く猫の絵画
 この絵画についてはドイツの著述家T・H・カーナー・ヴェルンズベルグが詳しく記述している。
 それはある日、ワーデンベルグのアレクサンダー伯爵なる人物からカーナーの父親宛てに送られてきた。絵画には黒い額縁に入っており、青みがかった紙に黒いチョークで等身大の猫が描かれていた。カーナーはこの絵を見ていると猫が生きているようで不快な気分になると記述している。
 アレクサンダー伯爵によれば、元々の所有者は幸せに暮らしていたはずだが、ある日突然拳銃自殺をしてしまった。そこでその人物の妻から買い取ったが、飾っておくと猫の目が気になり、陰鬱な気分になるので手放すことにしたのだという。アレクサンダー伯爵はほどなくして亡くなった。
 カーナーは父親からこの絵画を譲り受けた後、新居を手に入れた知人に送ることにした。が、その知人も半年後理由なくふさぎ込み、自殺を遂げた。その知人の親戚が絵を引き取ったが、彼もまた数か月後にベットでなくなっているのが見つかり、絵画は行方不明になってしまった。
 絵画に限らず、猫を模して作成されたものには猫の魂か、別の力ある存在が宿り悪意をもって人を攻撃する事例は枚挙にいとまがない。この話に登場する猫の絵画は行方知れずになってしまったが、こういった力を持ちそうなアーティファクトは数多く存在する。例えばエジプトでは猫のミイラを猫の木像に入れ埋葬する文化があり、このようなミイラは最低でも18万体はつくられたとみられている。

 タイエムルの儀式
 猫は多くの神に愛され、お気に入りの動物であった。故に、猫を儀式の生贄にすることは、猫を人質にとり神に要求をのませることでもあった。猫が生贄にされた例は世界中で枚挙にいとまがなく、古い寺院であれば壁に猫を生きたまま閉じ込めたりした。
 そのような儀式の代表例がタイエムルである。タイエムルには、発音によって「武器の貯蔵庫」と「猫の鳴き声」という2つの意味がある。これが意味するように、この儀式に成功すれば悪霊を追い払うための武器を手に入れることが出来る。
 タイエムルの儀式は金曜日から土曜日にかけての深夜12時に始めなければならない。生贄として捧げる猫は黒猫である。参加者は各々10ポイントのMPを支払うことになる。儀式は4昼夜におよび、儀式の執行者はその間断食しなければならないため、1日ごとにCON*5のロールに成功する必要がある。失敗すれば1D6の耐久力ダメージを負う。儀式が1日進むごとに、CON*4、*3と係数が1つずつ減少していく。
 猫が魔王に捧げられ、苦痛が与えられ魔法がかかりやすい状態になるとそのうち1匹を串刺しにし、すさまじい鳴き声が鳴くなかゆっくりと火で炙る。鳴き声が消えた瞬間別の猫に同じことを行い、儀式のあいだじゅう鳴き声を絶やしてはならない。
 儀式がある程度経過すると、悪霊が猫の姿になって周囲に現れる。この世の者とも思えない悪霊の叫び声と猫の断末魔の叫びが重なり響き渡る。最後には巨大な猫が姿を現す。
 儀式が終わると、祈祷師は捧げ物の報酬を要求する。報酬は金銭、子供など様々な形で支払われたが、予知能力が多く選ばれた。後述するような千里眼も得られるだろう。また、ある記録によれば祈祷師が悪霊から銀の小さな靴を受け取り、その靴を身に着けた子供は将来不屈の精神と勇気をもって戦争で功をなしたと言われている。

 猫の千里眼を得る
 猫が千里眼を持っているというのは、オカルトでは有名な伝承である。ここでいう千里眼は、単に遠くを見通すというよりは、幽霊を見抜く目としての意味合いが強い。
 猫の千里眼を得ようと考えたものは数多くおり、そのような方法も多く存在する。例えばユダヤの立法とその解説書である『タルムード』には、黒猫から生れた黒猫の胎盤を燃やし、叩き潰して粉にして自分の両眼に入れることで悪霊が見えるようになるとしている。またイギリスの魔術師フランシス・バレットは、人間の胆汁と黒猫の目玉を混ぜ合わせた作った目薬に同じ効果があるとしている。
 これらの邪法は1D3の正気をコストとし、効果は支払ったMPと同じ日数持続する。
 黒猫の皮といったもので作成されたお守りにも、同様の効果があるとされている。これらのアクセサリーは、悪霊を暴くことをサポートするアーティファクトになりうるだろう。
 千里眼ほどでなくとも、見えなくなった眼を治療する方法もある。他の色が混じっていない純粋な黒猫の頭部を燃やし、鉛を含むか内側に釉薬をかけた土器の中で粉状になるまですりつぶす。その粉を1日2回目に拭きつけ、夜に目が熱を持つようになったらオークの葉を2枚冷たい水に浸し、瞼の上において縛り付ける。
ラベル:魔導書
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオフック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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