2015年10月16日

新撰怪異事典 ハナクイビト

 新撰怪異事典 ハナクイビト
 ハナクイビトは花喰い人、つまり花を常食とする妖怪と言われている。
 現代社会においても食用の花というものが販売されているように、花を食べるということ自体はあまり珍しくなくなった。わざわざ食用の花などと例を出さなくても、たんぽぽを摘み取っててんぷらにして食べた経験のある方は少なくないはずだ。
 しかしハナクイビトは、花しか食べない。しかも調理することなく生のままでしか食べることが出来ない。草食動物も花を食べることがあるのかもしれないが、花しか食べないというのは有史以来このハナクイビトだけであろう。

 ハナクイビトの起源は古く、平安時代の古文書にその存在を確認できる。お墓や仏さまにお供え物として捧げた花が急激に萎れていくの、あるいは自然に咲いていた花がいつの間にか姿を消していたのを見た当時の人々は、これが墓の主や仏さまが花の生気を吸い取っているのだと考えた。この考え方が次第に、お供え物ではない切り花に援用され、生気を吸い取るのは村をうろつく精霊や報われない霊の類だと考えられた。その後鎌倉時代に入り、武士が山々を戦場とし駆け巡る中で花を食べる人の存在がまことしやかにささやかれ、花の生気を吸い取るという村々の伝承と合わさったと考えられる。
 現代的に考えれば、切り花にすれば花が枯れる速度が早くなるのは当然であるし、花が枯れて朽ちてゆく一部始終を漏らさず見たものはいないだろう。花を食べる人の存在は、菜の花などを調理し食べる習慣か、飢餓の際に食べるものがなく草木を口にしたという話がねじ曲がって伝わったのだろう。

 ハナクイビトは普段人の姿を借り、社会にまぎれて生活している。彼らがなぜそうするのか、目的は不明だが一説には、天敵から身を護る擬態だとも言われている。一体何が天敵というのだろうか。
 あるいはハナクイビトは森の守護者であるという陳腐な説もあるが、平安時代の古文書でも海辺の村に現れたり、明治時代には炭鉱町に現れたという報告もあるためいささか怪しい。
 この説の怪しさは、ハナクイビトが誰かに危害を加えたという話が一切登場しないことからも言える。本当に森の守護者であれば、森を汚すものにせめて忠告くらい与えそうなものだが、そういう話すらない。逆にいえば、ハナクイビトはそれだけ無害な妖怪ともいえる。

 ハナクイビトの興味深い特性として、食べた花に毛色や香りが影響されるというものがある。例えば赤い花を食べれば髪の毛が赤っぽく、黄色なら黄色っぽくなるという。また桃の花を食べれば桃の香りが、リンゴの花ならリンゴの香りになるとも言われている。このような反映は個体差が大きく、香りへの影響が顕著だが毛色は変化がほとんどない、といった場合もあるようだ。
 人から花の香りが漂ってきたら、その人はハナクイビトかもしれない。

 公園の花壇、また何者かに荒らされる 赤崎日報15年4月9日
 赤崎市内の公園内にある花壇の花が、何者かに荒らされているのが見つかった。発見した市民の通報で発覚した。警察は器物毀損の容疑で捜査を進めている。
 現場は赤崎市西部の児童公園。花壇のチューリップが茎を残して花だけがもぎ取られていた。周囲に花は散らばっておらず、持ち去ったとみられている。公園の近くには保育園や小学校があり、近隣住民には不安が広がっている。
 先月に引き続きこれで3件同様の事件が起こっている。1件目は東部の公園で、花壇のスミレが荒らされていた。2件目ではその近くの遊歩道に置かれていたプランターから、同様にパンジーが持ち去られていた。
 また市内の私立高校砂州良学園では1件目の事件発生以前に、構内の花壇からパンジーが持ち去られたほか、桜の木に花をそぎ落としたような痕跡が残っており警察では関連を調べている。
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオフック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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