2015年09月11日

姦淫聖書 大学図書館で発見される 赤崎日報09年12月26日朝刊より

 姦淫聖書 大学図書館で発見される 赤崎日報09年12月26日朝刊より
 赤崎大学図書館の地下2階書庫にて、所謂姦淫聖書と呼ばれる資料が発見された。この資料は冬季休業中に行われる書庫整理作業時に、司書によって発見された。
 姦淫聖書は、1631年にイギリスで出版された聖書。モーセの十戒の一つ「汝、姦淫するなかれ”Thou shalt not commit adultery”」という節のnotが抜け、「汝、姦淫すべし”Thou shalt commit adultery”」となってしまった誤植があることからこう呼ばれている。ほとんどの姦淫聖書は回収され燃やされたとされているが、大英図書館やケンブリッジ大学図書館などが一部所蔵しているケースもある。
 赤崎大学文学部の菊井笠哉教授によれば、日本で見つかったケースは初めてであり、流通経緯を含めて重要な資料になる可能性がある。
 赤崎大学図書館は、聖書に図書館所蔵を示す印がないことなどから、本来の蔵書ではなく個人のものがなんらかの理由で紛れ込んだとして、元々の持ち主を捜している。

 人の皮で装丁された書物について 警視庁皇宮警察部捜査官の覚書
 ある書物が人の皮で装丁されるのは、別に珍しいことではない。代表的な例は魔導書『クタート・アクアティンゲン』であろう。あの本には魔力がこもり、表紙の皮膚は汗もかくといわれている。
 『クタート・アクアティンゲン』が何らかの魔術的エネルギーを秘めるに至ったのは、その内容がためだけではないと考えている。つまり、人の皮で装丁されること自体が本に魔力を込める効果があるのではないかということだ。
 『せどり男爵数奇譚』という小説がある。ここには佐渡という、人の皮で装丁することに取りつかれた狂人が登場する。彼には元々狂気が宿っていたようだが、あることをきっかけにたがが外れてしまう。
 そのきっかけとは、香港の成金華僑にある本の装丁を人の皮で頼まれたことだ。その本は『姦淫聖書』と呼ばれている。
 しかも、ただ人の皮で装丁するというだけではなかった。その際の、華僑の狂態は小説のお楽しみを奪うだろうから書かないでおくが、その狂態を目の当たりにした佐渡はついに壊れてしまった。その時彼は自分自身をサディストだと自覚したのではと推測されているが、今思えば佐渡とサドのダブルミーニングなのではないかとも思う。
 これはあくまで小説の話だが、この仕事をしていればよくわかるように、フィクションの中にこそ真実が隠れているという場合は少なくない。姦淫聖書が生れた時と同じようにnonが欠落したのではないかと思わせられる事例にも出くわしたことがある。この事例もそうなるかもしれない。
 事実、赤崎大学図書館から発見された姦淫聖書は人の皮で装丁されていた。新聞は流石に報じなかったが、知り合いの刑事から我々の案件だろうと連絡が入った。

 梶山季之『せどり男爵数奇譚』 某大学のPOPより
 この本は古書に人生を狂わされた人々の物語である。主人公のせどり男爵は当然のこと、ビブリオクラストという、本への愛が行き過ぎて破壊行為に及ぶもの、ビブリオクレプトという盗み行為に走るもの、さらには人の皮で本を装丁しようとする者も現れる。彼らは傍から見れば狂人だが、一方で何かに熱中する人間というのは多かれ少なかれ狂気じみているのかもしれない。
 投稿者 ミッ〇キーさん 理学部3年
posted by 新橋九段 at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオフック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック