2015年05月08日

チーズの種類名鑑

 森枝卓士編『チーズの文化誌』およびアンドリュー・ドルビー著『チーズの歴史』より。ドルビーには他にも食べ物系の著書が多い模様。装丁も綺麗な本なので一度読んでみては?

 ペコリーノ・ロマーノ
 塩を多く乗せて熟成させるために塩辛い、そのため調味料によく使われるチーズ。羊乳の、ローマのという意味がある。シチリアのペコリーノならペコリーノ・シチリアーノ

 モッツァレラ
 本来水牛のミルクで作られる。正確にはモッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナパスタ・フィラータという、糸を引くタイプのチーズ。トマトと一緒に食べるサラダをカプレーゼという。手でちぎるという意味から。

 パルミジャーノ・レッジャーノ
 水分が抜かれているためとても固い。保存がきき、携帯食料として優れる。パルメザンの今風の呼び名らしい。

 パルメザン
 重く円筒状で硬質。教皇ユリウス2世がヘンリー8世に100個のパルメザンを送り、サミュエル・ピープスはロンドンの大火から逃れるために貴重品を穴に埋める際にはパルメザンを一緒に埋めたという逸話もあるほど。

 ロックフォール
 歴史上の記録では11世紀に登場し、フランス最古の異名をとる。羊飼いが食べかけのチーズを置き忘れ、戻ってみたらできてたという逸話もある。青カビチーズの一種。

 マンスティール
 ウォッシュタイプと呼ばれる、チーズを地酒や塩水で洗いながら熟成させたものの1つ。この種類のチーズは強烈なにおいを放つ。アルザスの修道院でつくられた。他のウォッシュタイプチーズには最高級と名高いエポワス、ノルマンディーのリヴァロ、フランス北部ノールに由来するマロワールなど。いずれも修道院で作られる。

 ブリ
 王様のチーズと名高い。フランスの皇帝が代々愛し、食卓に必ず連なった。革命後は民衆のチーズとなる。円形に整形され真っ白だが、8か月熟成されると真っ黒になりブリ・ノワールと呼ばれるようになる。

 カマンベール
 テーブルの上の小さなフランスとも。村の名前がそのままチーズに。ブリの製法が引き継がれている。

 シェーヴル
 山羊乳製チーズの総称。復活祭から万聖節までの期間が旬だが、最近は1年中手に入る。

 ルブロション
 サアルプス山地の両側に跨るヴォア公国領で誕生した。量が少なく乳脂分が少ない二番しぼりの牛乳から作られる。これは昔のアルプスの牛飼いは乳汁をしぼり桶の数で税を計算されていたから、領主のいない時間に2回目をしぼるのが得策だったため。柔らかくクリーミー。

 スティルトン
 チーズが売られた村に由来する。チーズはつくられた場所ではなく売られた場所に因むことが多い。青カビチーズの1種。ピリッとした風味がある。

 カンタル
 詩人サンタマンの命名による。本来つくられる場所ではフルムと呼ぶ。熟成が短いとフレッシュでミルキーな味がする。十分熟成させるとアシブトコナダニがびっしりつく。

 チェダーチーズ
 チャールズ1世がもてはやした、イングランドの最高傑作。いろいろな農場主のミルクを混ぜて作るのが一般的だった。カナダのロイヤルチェダー、ニューイングランド州のもの、イングランドのフランス企業のものが有名。しっかりした食感とピリッとする(土臭いとも言われる)風味がある。

 ゴーダ
 オランダのチーズ。出島でも作られていた。日本に各国の多種多様なチーズが入ってくる前は、チーズと言えばゴーダだった。

 ラブヌ
 レバノンで一般的なチーズ。ヨーグルトに塩を加えて濾し、保存期間によって水分を抜き作る。オリーブオイルにつけておき、オリーブやキュウリ、ミントの葉と共に食べたり、にんにくを混ぜて食べたりする。他にも、山羊の乳から作られるジョブン、ミルクと凝乳を混ぜて過熱して作られるアリーシェなどがある。

 ビャスラク
 モンゴルのチーズ。内蒙古ではビシラクという。餅のようによく伸びるのが特徴。クリーム状の乳製品を挟んで食べることもある。モンゴルではゲルの中の机にチーズなどを山盛りに盛っておき、見知らぬ来客でももてなす。留守でも勝手に入って食べてよく、寧ろ来客があったことを喜ばれる。

 アーロール
 モンゴルのチーズの1種。内蒙古ではホロートという。とても固いため、乳茶につけて柔らかくして食べるか、しゃぶって少しずつ食べる。赤ちゃんのおしゃぶり替わりでもある。

 パニール
 インドのチーズ。豆腐のように柔らかい。煮たり揚げたりして食べる。
ラベル:食べ物資料
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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