2015年04月09日

不老不死者と邪神の洞窟

0.KPをする方へ
 このシナリオはキャンペーン『砂州良学園の七不思議』の最終話です。まだ概要を読んでいない方はそちらを先に読むことをお勧めします。

1.あらすじ
 秋、砂州良学園にも学園祭の季節がやってきました。探索者たちはこのどさくさ紛れに、理事長室を覗いてやろうという誘いを受けます。
 しかし理事長室にあったのは秘密の研究室と干からびた死体、そして恐ろしい計画を記した手紙でした。
 探索者たちは七不思議を全て解明しきり、学園の生徒たちを名状しがたい邪悪から守ることが出来るのでしょうか。

2.登場人物
 小川玲子 ?歳 砂州良学園理事長
 STR33 CON30 POW21 DEX15 APP13 INT17 SIZ25
 HP27 MP21 アイデア85%
 砂州良学園の理事長。正体はニーオス・コルガイと呼ばれる宇宙吸血鬼です。
 彼女は30年前、学園を設立せんとしている本物の小川玲子を乗っ取り、学園を自身の研究所として利用しようとします。
 彼女の研究の目的は、信奉するウボ・サスラの力を増幅させ、さらに自身の力も増すことです。

 紙屋修平 56歳 砂州良学園高等部英語教員
 STR13 CON14 POW12 DEX11 APP10 INT15 SIZ13 EDU17
 HP13 MP12 アイデア75% 知識85% 幸運60% SAN0/99 db+1D4
 日本刀60% 英語80% 回避40%
 砂州良学園に長く勤めている教師です。剣道部の顧問でもあります。
 その正体は、不老不死を目指す狂気の魔導士でした。彼は目的のために理事長と手を組み研究を進めていました。
 しかし理事長の本当の目的に気が付かず、最後は利用されて殺されます。

 石崎千恵子 17歳(高等部2年) 女 新聞部部長
 前回に引き続き登場。今回は美術部の取材の話を探索者たちに持ってきて、理事長室覗きにも乗っかります。

 小宮山香帆 13歳(中等部1年)
 長坂瑛太 13歳(中等部1年)
 東城由香 15歳(中等部3年) 第28代中等部生徒会副会長
 篠原千夏 17歳(高等部2年) 袖引きにあった少女
 過去の探索で遭遇した者たちです。今回の探索でも出会うことになります。

3.導入
 砂州良学園は慌しさと、浮かれた雰囲気に包まれています。それもそのはず、明日から2日間、学園祭が行われるのです。学園祭の翌日には創立30周年記念式典も予定されており、学校の人間は皆忙しそうにしています。それは探索者も例外ではありません。
 そんな探索者の元に、新聞部部長の石崎千代子がある企画を持ち掛けてきます。それは毎年巨大なオブジェを作成する美術部への取材です。
 探索者は石崎に無理やり連れられて美術部の取材へ向かうことになります。

4.美術部への取材
 探索者は美術部の作業している校門付近にやってきます。そこには人が2,3人は入れそうな銀色の物体が、敷かれた大きなブルーシートの上に置かれています。
 探索者たちの取材に答えるのは、美術部の部長である鈴木卓也です。彼曰く、この奇妙な物体は宇宙船を模しているとのことです。確かに内部には人が入れるようになっており、中には計器のようなパーツまで再現されています。もっともロールをするまでもなく、それらの計器は実際の宇宙船にはついていないであろうでたらめなものだと考えられます。
 <目星>に成功すれば、宇宙船の中に見覚えのある意匠を見つけます。それは旧校舎の中で見つけたバッテリーと、それを使用して動かす装置です。
 また鈴木が言うには、この作品は行方不明になった美術部顧問、東加奈子の提案だったらしいです。顧問がいない今、このオブジェを完成させることを部の目標としているようです。

5.オカルト部の誘い
 探索者たちが取材を終えた後、オカルト部の部長である今泉啓太から石崎を通じてある誘いを受けます。それは前人未到の理事長室を覗くというものです。具体的には、文化祭1日目の午前中に理事長室へ向かい、部屋を覗きがてら七不思議の1つである理事長について探ろうというイベントです。
 理事長室は高等部の校舎1階に存在しますが、普段は鍵がかかっており、教員でも校長のような限られた人間しか入ったことがないと言われています。
 しかし今泉は長い時間をかけ調査をし、理事長室の合い鍵を作ったというのです。またその日は理事長が式典の打ち合わせのために学校を留守にし、教員も文化祭に忙しく理事長室を訪れる暇はないだろうという絶好の好機です。
 もし探索者が断ろうとしても、石崎はあなたたちを連れて無理やりにでも理事長室に向かうでしょう。

6.理事長室へ
 当日、理事長室に向かうと今泉が探索者と石崎を待っています。オカルト部の他の部員が見当たりませんが、今泉によれば、全員怖気づいてついてこなかったとのことです。
 理事長室の周辺は物音一つしません。<聞き耳>を試みても何も聞こえないでしょう。
 扉には当然鍵がかかっています。今泉は準備した合い鍵を取り出して鍵を開けてしまいます。
 扉を開くと、部屋に入れます。部屋の中には大きな書き物机、応接用のソファが一式、学生が何かの大会で勝ち取ったであろうトロフィー類を飾ったガラスケースが1つあります。
 書き物机とソファは何の変哲もないものです。本棚にも気になる本は特にありません。
 しかし本棚に対して<目星>か<聞き耳>に成功すると、本棚と壁との隙間から風が漏れているのがわかります。本棚をみんなで動かしてみると、そこから地下へ続く階段が現れます。

7.地下の研究室
 理事長室の地下にある研究室は、6畳ほどの小さなものです。壁は本棚でぎっしりと埋まっていて、わずかに空いたスペースに換気用の通気口があります。その他、シンプルな書き物机がある程度です。この部屋を見た探索者は、<アイデア>に成功すれば旧校舎で入った地下の研究室を思い出すかもしれません。
 本棚の本は殆どが外国語で書かれており、タイトルを読むことが出来ません。また単に<図書館>に成功するだけでも、この部屋には英語ですらない本が多いことがわかるでしょう。
 机の上には便箋が置かれています。その手紙には「紙屋へ」と宛名が書かれています。そこに以下のように書かれています。
 「準備がようやく整った。30年に及ぶ研究も終わりを迎える。2日後、不老不死を手に入れるためにウボ・サスラ様を復活させる。贄は生徒が2000人もいれば足りるだろう。儀式に必要なもののリストをつけておく。」
 <アイデア>に成功した探索者は明後日行われる創立記念式典が高等部の体育館で行われることを思い出します。そこには中等部の生徒も集まりその数はおおよそ2000人になることも知っています。
 手紙の横には別の便箋が置かれています。そこには箇条書きで、儀式に必要となるものが以下のように書き連ねてあります。
・贄 2000人程度。
・魔力のある、インクになりそうな液体 加奈子が生きていればグラーキの毒液を楽に手に入れられたのに。
・ウボ・サスラ様の細胞 儀式のトリガーにするために。
・防御用のアイテム 準備済み。後は運ぶだけ。
・逃走手段 加奈子に作らせているけど、完成させる前に死んじゃったから、念のため。
 また部屋の隅には毛布で包まれた何かが置いてあります。毛布による梱包は割と厳重ですが、素手で剥がすことは可能です。それを剥がしてみると、そこには人のような形をした、萎びた死体があります。突然異常な死体を目撃した探索者は0/1D3の正気度を失います。その死体は裸で、原型を留めないほどにミイラ化しているのでその人物に関する情報を得ることはできません。ただし<医学>に成功すれば、この死体が長い時間をかけて乾燥したものではなく、何かの要因で急速に萎びたのではないかと推測できます。この死体に触れるとボロボロに崩れてしまいます。

8.裏山の洞窟
 手紙の相手である紙屋修平という人物は、高等部の英語教師・剣道部顧問であることを探索者は知っています。
 他の教師に聞けば、学園創立初期から勤めている古参の教員の一人だと教えてくれます。
 <オカルト>に成功するか、詳しいであろう人物に話を聞けば七不思議の1つである「裏山の洞窟」は彼の手によるものだとわかります。
 元々、学園の裏山にある洞窟は落盤の危険があると言われていました。しかし20年前、その洞窟に紙屋の教え子が数人忍び込んでしましました。その時運悪く地震があり、洞窟が崩れて生徒は生き埋めになって結局死体も1人の右腕しか見つからなかったのです。紙屋は二度とこんなことが起こらないように、洞窟の入り口にフェンスを巡らして七不思議を作ることで生徒の立ち入りを防ごうとしたのです。
 その洞窟は旧校舎のさらに裏手にあります。そこは実際に厳重に入り口が閉ざされており、ご丁寧に監視カメラも設置されています。

9.美術準備室での電話
 儀式に必要なもののうち、グラーキの毒液を求めて探索者は美術準備室へ向かうかもしれません。
 探索者が部屋に入ろうとすると、そこには理事長その人が立っていました。理事長は準備室で誰かに電話をしているようです。<聞き耳>に成功すると内容を盗み聞きできます。
 理事長が話している相手は手紙にあった、紙屋という男です。「やっぱりなかったわ。加奈子がいくつか隠し持っていると思ったのだけど、元々持ってなかったか誰かが処分してしまったか……旧校舎になかったかしら?なかったらなにか代わりになりそうなもの持ってきて頂戴。手紙で言おうと思ったけど、誰かが理事長室の隠し部屋に入ったみたいだから急ぎ気味でね。ついでにもういらないものも処分してね」
 理事長は電話を終えると部屋から出ていきます。探索者がその後部屋を探しても何も見つかりません。

10.再び旧校舎
 探索者は電話の聞いた後、旧校舎に向かうでしょう。
 道中<目星>あるいは<聞き耳>に成功した探索者は、誰かが道の脇の茂みを通るような音を聞くか、人影を目撃します。探索者が周囲を探しても既に誰もいませんが、<追跡>に成功すれば手帳のようなものを発見します。
 手帳には「紙屋修平」と名前が書いてあります。中を見ても特に不審な点はありませんが、一部英語でびっしりと埋め尽くされたページを見つけることが出来ます。<英語>に成功した探索者は、これが何かの歌の歌詞が何度も繰り返し書かれたものだということに気が付きます。<クトゥルフ神話>に成功するか、<ナイハーゴの葬送歌>を知っている探索者であればこれが<ナイハーゴの葬送歌>の歌詞であることがわかります。
 旧校舎は依然探索者が訪れた時のまま、学校の裏手に鎮座しています。門の鍵はかかっておらず、開け放たれています。
 中に入ると、探索者の目に玉虫色の液体が廊下を埋め尽くしている様が入ってきます。旧校舎での事件を経験していない探索者はもちろん、経験のある探索者もトラウマを思い出させられるでしょう。0/1D3の正気度を喪失します。
 その大量の液体の真ん中に少女が倒れているのに探索者は気づけます。その少女が東城由香であることも、面識がある探索者ならわかるでしょう。
 廊下を埋め尽くしているショゴスは、ピクリとも動く気配はありません。探索者が触れても引きずり込んだり、ダメージを受けるということはありません。
 東城由香は既に虫の息です。<応急手当>あるいは<医学>に成功すれば、特に彼女には目立った傷がなく、弱っている原因がわからないことがわかります。
 彼女の手には紙切れのようなものが握られています。それは前々回の探索でも見つけた生徒会の集合写真です。しかしその写真には不可解な点があります。生徒会役員と一緒に写っている理事長の腹の部分に釘が突き立ててあるのです。
 また、彼女は探索者の呼びかけに気づくと、そばにあった鉄パイプを自分の腹に突き立てて何かを言おうとします。しかしもう声を出す気力もないようで、何を言いたいのかはわかりません。
 彼女の持っている鉄パイプを調べると、普通の鉄パイプとは材質が違うことがわかります。<博物学>に成功すれば、これが鉛で出来たものだということがわかります。
 探索者が旧校舎内を探しても、特に怪しいものを発見することはできません。

11.紙屋の異変
 探索者が1日目の終わりに校舎を歩いていると、どこからか悲鳴が聞こえてきます。
その現場にたどり着くと、篠原が男性に襲われそうになっています。その男性の足取りは覚束なく、ぶつぶつと何かをつぶやいています。
 <聞き耳>に成功すれば、彼が「食べなくては……裏切られた……」などと呟いているのが聞こえます。
 探索者が近づけば、その人物は紙屋修平らしいことがわかります。しかし顔色が異常に悪く、目の焦点も定まっていないことがわかります。今日の日中に見た時にはそのような様子はありませんでした。
 探索者が近づくと、紙屋は突然手に持った杭のようなもので探索者へ襲いかかってきます。探索者が逃走しない場合は戦闘になります。
 逃走あるいは戦闘が始まって少し経つと、紙屋は突然痙攣して倒れてしまいます。そして体はみるみるうちに萎んでいき、乾いてボロボロの抜け殻だけになります。探索者は理事長室の隠し部屋にあった死体を思い出すでしょう。
 探索者が紙屋の衣服を調べても、なにも見つかりません。財布や携帯のような、持っていて当然だと考えられそうなものすら持ち合わせていません。
 手に持った杭を調べると、鉄とは違う材質で出来ていることがわかります。<博物学>でなくても、<アイデア>に成功すれば東城由香の手に握られた鉄パイプと材質が同じだろうと感じます。
 その他の唯一の所持品は、左の薬指に付けられた指輪です。その指輪の裏側には「1984.9.23」と彫ってあります。<知識>に成功すれば、それが砂州良学園の設立日であることがわかります。

12.体育館の人影
 探索者がこの事態を誰かに知らせようとすると、長坂と鉢合わせます。
 彼に事態を伝えようとすると、彼は不思議そうな顔をして「紙屋先生なら体育館にいますよ」と言います。
 彼曰く、紙屋は先程まで体育館にいて生徒に指示を出して作業をさせていたそうです。体育館にある地下倉庫から大きな直方体の石を舞台へ運び上げるという作業で、長坂も駆り出されていたそうです。
 探索者が体育館へ向かうと、体育館から紙屋が出ていくのを見ることが出来ます。探索者が後を追いかけても紙屋に追いつくことはできません。<目星>などを使用しても、彼の様子に特におかしな部分を見つけることはできません。
 体育館の舞台には、地下倉庫から通路へ降りるための出入り口にある石の扉が置かれています。元々扉が置いてあったところには鉄板で出来たような扉があり、鍵がかかっています。

13.2日目
 翌日、探索者が学校に来ると紙屋は普通に校内を歩いています。やはり彼に不審な点は見当たりません。ただし探索者が話しかけようとすると直ぐにどこかに姿をくらましてしまいます。
 2日目は屋内ステージでのイベントが中心です。昨日小宮山が言っていたように中等部の生徒によるステージも行われています。しかしなぜか彼女の姿はありませんでした。
 ステージが終わった後、出演者に話を聞くと、彼女がどこへ行ったのか誰もわからないそうです。朝の準備の時には確かにいたのですが、ステージが始まる時間にはいなかったそうです。
 探索者が校内を探していると、篠原と行き合います。彼女によれば、小宮山がふらふらと校舎の裏、立入禁止の洞窟へ向かうのを見たそうです。

14.紙屋の机
 その日に何かの用事で職員室に入った探索者は、紙屋の机を調べることが出来ます。机の引き出しには8ケタの暗証番号で鍵がかかっているものがあります。そこに指輪にあった数字を入力すると引き出しは開きます。そこには見覚えのある装丁の本があります。それには『グラーキの黙示録第3巻』とタイトルが書かれています。適当なロールに成功すればその本をこっそり持ち去ることが出来ます。
 また職員室で<聞き耳>に成功すれば、洞窟の周囲を監視しているカメラから映像が送られてこないといった会話を教員がしていることがわかります。

15.グラーキの黙示録第3巻
 この本は全て英語で書かれています。本にはメモが何枚か挟まっています。1枚は本に書かれている独特な英単語の日本語訳のメモで、これを使用すると<英語>に+10%のボーナスが付きます。
 もう1枚は簡単な走り書きで「ウボ・サスラ=生物の祖、ならば不老不死の方法も?」と書かれています。
 メモの挟まっていたページには、ウボ・サスラについて詳しく書かれています。ウボ・サスラはこの世界の生物全ての根源となる原形質を作り出した神です。古のものと呼ばれる存在はこの神の体組織からショゴスを生み出したと言われています。今は地球の奥深くに身を隠しており、知性も失われているとも言われています。
 またウボ・サスラを崇拝するという邪悪な種族についても記載があります。その種族は名をニーオス・コルガイといい、宇宙からやってきた生物のようです。この本には、あとはこの生物が普通の方法では殺せないということまでしか書かれていません。あとのページは破り去られた形跡があります。
 この本を読んだ探索者は、あまりにも突飛で奇怪な生物の記述に触れ、1/1D4の正気度を喪失します。また<クトゥルフ神話>に+2%します。

16.立入禁止の洞窟へ
 探索者が立入禁止の洞窟へ向かう途中、<目星>に成功すると見覚えのある靴を拾うことが出来ます。それは旧校舎でも目撃した、小宮山の靴でした。
 立入禁止の洞窟は入り口を厳重なフェンス、それこそ旧校舎のものより頑丈なもので覆われています。監視カメラも設置されており、有名な警備会社のロゴシールも貼られているほどです。しかしよく見てみると、入り口は閉まっていますが鍵はかかってないことがわかります。また適当な技能に成功すれば、監視カメラなどのシステムも止まっていることがわかるでしょう。

17.洞窟内部
 洞窟の中は全く明かりがなく、懐中電灯のようなものがなければ、視覚に頼る技能にマイナス補正が付くほどです。道自体も途中で枝分かれが沢山あります。
 枝分かれは2股→4股→2股→5股→8股となっており、正しい道はそれぞれ1本しかありません。また分岐の時点ではどれが正しい道かはわからないでしょう。
 4股の分岐に探索者がたどり着いたころ、洞窟の奥から悲鳴のようなものが聞こえてきます。それはかなり切迫した声に聞こえます。
 2回目の2股分岐には黒い粘液上のものが地面に広がっており、<目星>あるいは<聞き耳>に成功しないとその存在に気が付くことが出来ません。これはウボ・サスラの細胞であり、うっかり触れると喰らいつかれ2D3の耐久力ダメージを与えてきます。引きはがすには17とのSTR対抗ロールに成功する必要があります。またその存在に気が付いた場合は1D3/1D6の正気度を喪失します。細胞はその場から動くことはないので、追ってきたりはしません。KPは進行状況を判断して、この細胞との遭遇回数を増やしてもいいでしょう。
 また5股の分岐の1つには、正しい道の他に外に繋がる道が存在します。その分岐にたどり着いた時点で<聞き耳>をふり、成功すれば風の音を聞くことが出来ます。
 洞窟の最深部に到達すると、そこには小宮山がいます。そしてその背後には灰色のねばねばした、腐臭と蒸気を放つ物体が鎮座しています。探索者はこの物体が放つ癪気で体が満たされるような不愉快な感覚を覚えるでしょう。
 小宮山は探索者の呼びかけにも反応せず、その灰色の物体に近づいていきます。よくみると手には瓶とナイフのようなものを持っており、その物体を採取していることがわかります。
 小宮山が採取し終わると、それは鳴動して探索者たちを飲み込もうと襲い掛かります。動きは緩慢ですが、巨体であるために逃げるのは困難だとわかるでしょう。
 探索者がこれから逃げるには、DEX5との対抗ロールに成功する必要があります。ただし小宮山は自分の意志で逃げようとしないため、一緒に逃げたい場合は抱えて逃げる必要があります。1人で抱える場合DEXが2さがってしまいます。一方探索者が協力して抱える場合は、探索者の中で一番遅い者に合わせて逃げることになります。
 探索者が洞窟から脱出する場合は、5回の対抗ロールに成功する必要があります。2回目以降の失敗からウボ・サスラの細胞は攻撃を仕掛けてきます。また洞窟内は非常に複雑な構造であるため、<ナビゲート>か他の手段を用いて道を確かめる必要があります。そうしない場合は探索者のDEXに-2します。
 ただし2回目の対抗ロール後、5股の分岐に到達してから別の逃げ道を取ることが出来ます。そのためにはやはり<ナビゲート>などに成功する必要があります。その道を取った場合、もう1度対抗ロールに成功すれば洞窟から脱出し、旧校舎のそばに出てきます。
 洞窟から脱出したあと、後ろを振り返ればウボ・サスラの細胞が一瞬だけ顔を覗かせ、諦めたように奥に引いていくのが見えます。

18.最終決戦
 探索者が校舎に帰ってくるころには日はすっかり落ち、あたりは暗くなっています。校舎にも殆ど人影はありませんが、体育館に照明がついているのがわかります。学校の周囲は異様な静けさに包まれており、それはプールでグラーキに邂逅したときのような、あるいは旧校舎に初めて乗り込んだ時のような感じです。
 体育館に探索者が赴くと、紙屋修平が何か作業しています。体育館に敷かれた薄緑色のシートの下に、カードのようなものをさし込んでいるのです。
 探索者に気づくと紙屋は振り返り、話しかけてきます。
 「おや、君たち。私の計画の仕上げを手伝いに来てくれたのかな?それとも、ウボ・サスラ様の細胞を持ってきてくれたのかい?」
 「この学校を作って30年になる。不老不死の体とはいえ長い年月だった」
 「小川玲子が私に不用意に接触してくれたのは渡りに船だった。彼女の計画していた学園創立は研究のいい隠れ蓑になる」
 「君たちを生きて返すわけにも行かないね。贄が減るのが心配だが、来賓の分を含めたら大した問題ではあるまい」
 会話が終わると、紙屋に化けたニーオス・コルガイは正体を現し攻撃を仕掛けてきます。正体を目撃したことで探索者は1/1D8の正気度を失います。
 彼にはどんな攻撃も有効ではありません。彼を傷つける唯一の方法は太陽神経叢(鳩尾)に鉛の武器を打ち込むことです。
 逆に、そこに打ち込みさえすれば戦闘は終わります。ただし、成功させるには10%か自分の攻撃の低い方でのロールに成功する必要があります。しかし<医学>あるいはツボ押しやヨガに関するロールに成功した者はこの確率を5%上昇させることが出来ます。
 また<ナイハーゴの葬送歌>を使用すれば、ニーオス・コルガイにダメージを与えることが出来るほか、動きを止めて攻撃を自動成功させられるようにもなります。
 戦闘が終わるとニーオス・コルガイは苦しみながら体育館から逃げていきます。そしてすぐそばにある宇宙船のオブジェに近づくと、下に敷いてあるブルーシートに手を当てて魔力を流し込みます。
すると、ブルーシートは焼き切れて下から魔方陣のようなものが現れます。そして宇宙船を光が包み込むと、それの素材を変化させていきます。このような不思議な光景を目の当たりにした探索者は0/1の正気度を失います。
 宇宙船を完成させたニーオス・コルガイは、それに乗り込み逃げ去ろうとします。炎を吹き上げ空へ舞おうとする鉄の塊を止める術は、所詮一高校生である探索者には残されていません。
一方、あらかじめ魔方陣を消しておいた場合は、何の変化も起こりません。そしてニーオス・コルガイは「馬鹿な、こんな餓鬼どもに!」などと断末魔の叫びをあげて萎んでいき、塵と化します。

19.全ての顛末
 翌日、理事長不在の中記念式典は行われました。そこで、今年行方不明になった大勢の生徒のことも話されるでしょう。しかしもう二度とこのような悪夢は起こることはありません。

20.報酬
 シナリオクリアの報酬として、1D10の正気度を回復します。さらに、小宮山と共に生還した場合は追加で1D3、ニーオス・コルガイを撃破した場合は1D8の正気度を回復します。
 また今回の事件を経た探索者は<クトゥルフ神話>に+3%されます。
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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