2015年04月07日

旧校舎の怪物

0.KPをする方へ
 このシナリオはキャンペーン『砂州良学園の七不思議』の第1話として作成されたものです。始める前に概要を読むことをお勧めします。
 第1話であるため、このシナリオ単独で遊ぶことも可能ですが、その場合いくつか判明しない謎が残ることになるかもしれません。

1.あらすじ
 探索者は友人である新聞部部長、石崎千恵子から肝試しの誘いを受けます。なんでも、七不思議すべての正体を解き明かして、新聞のネタにしたいのだそうです。
 探索者は忍び込んだ旧校舎で謎の地震に遭い、閉じ込められてしまいます。探索者たちは校舎から脱出することが出来るのでしょうか。

2.登場人物
 石崎千恵子 17歳(高等部2年) 女 新聞部部長
 STR9 CON11 POW12 DEX10 APP17 INT14 SIZ11 EDU14
 HP11 MP12 アイデア70% 知識70% 幸運60% SAN60/99 db0
 回避20% 写真術60% 機械修理50% 電気修理40% 言いくるめ50%
 心理学60% 母国語80% オカルト30%
 持ち物:デジタルカメラ スマホ ペンと手帳 ICレコーダー
 本キャンペーンの中心人物です(一応)。砂州良学園の七不思議の正体を突き止めることに情熱を燃やしています。
 今の性格と興味は父親がジャーナリストだったためでしょうか。
 あまり後先考えない性格のため危険に気が付かずに突っ込むことが多々あります。
 ただ、結構ビビりなので肝試しには大勢で行こうと画策しています。

 東城由香 15歳(中等部3年) 女 第28代中等部生徒会副会長
 人間の姿
 STR15 CON13 POW14 DEX11 APP14 INT13 SIZ16 EDU13
 HP15 MP14 アイデア65% 知識65% 幸運70% SAN0/99 db+1D6
 回避22% 経理55% 英語70% 信用60% 説得50%
 持ち物:生徒手帳 中には生徒会のメンバーと撮った写真が入っている
 ショゴスの姿
 STR34(東城の部分は20) CON42 POW10 DEX6 INT13 SIZ42
 HP46 MP10 db+3D6
 攻撃 押しつぶし 70% dbとおなじ
 装甲 なし。ただし電気と火の攻撃は半減。物理的なダメージは1点。1Rに耐久力を2点回復。
 砂州良学園の元生徒会副会長です。記憶を失っているようで自分がなぜここにいるのかも覚えていないようです。
 かなり昔に失踪しているので、制服は前の時代のものを着ています。
 その他、見覚えのないカーディガンを羽織っていて両手はすっぽり隠れています。
 その両手にはぶるぶると震える灰色の粘着質の塊を持っています。
 この塊は深きもののショゴス=トゥシャの性質に目を付けた理事長たちの手によって実験的に取り付けられたものです。
 その冒涜的な実験のために東城の精神は壊れてしまっていて廃人同然となっています。
 結合が不完全なためと東城の精神が壊れているため、ショゴスを支配しつつも一切命令はしないという奇妙な同居をしています。

 小宮山香帆 13歳(中等部1年) 薄幸の少女
 STR9 CON8 POW10 DEX9 APP14 INT10 SIZ7 EDU11
 HP8 MP8 アイデア50% 知識55% 幸運50% SAN41/99 db-1D4
 回避18% 生物学40% 芸術(華道)50% 芸術(園芸)50% クトゥルフ神話5%
 持ち物 壊れた懐中電灯 生徒手帳
 肝試しにやってきて液体に襲われた少女です。そのせいで一度一時的狂気にも陥っています。
 趣味は華道と園芸です。植物が好きなようで、彼女が持っている小物にもあしらわれています。

 日高京子 13歳(中等部1年) 不運な犠牲者
 小宮山香帆と共に肝試しに旧校舎へやってきた少女です。
 ショゴスに飲まれて死にます。

 長坂瑛太 13歳(中等部1年) 小心な少年
 STR10 CON11 POW8 DEX12 APP10 INT10 SIZ12 EDU11
 HP12 MP8 アイデア50% 知識55% 幸運40% SAN40/99 db0
 回避24% 隠れる55% 忍び歩き60% 拳銃20% オカルト40% 機械修理40% コンピューター30%
 持ち物 軍用懐中電灯 モデルガン 十徳ナイフ バール
 肝試しにやってきた少年の1人です。小心者でずっと技術準備室に隠れていました。
 趣味はモデルガンいじりで、プログラミングにも少し興味があるようすです。

3.七不思議について
 七不思議について千恵子に聞くと、彼女が知っていることを全て教えてくれます。以下のような内容です。
 脱出不能の旧校舎
 学園の旧校舎として使われていましたが突然閉鎖された建物です。普段は鍵がかかっているのか入ることができません。しかし満月の時だけ中に入ることができます。ですが日が昇る前に脱出しないと二度と帰ってこれないという噂があります。
 体育倉庫の悲鳴
 高等部の運動場にある体育倉庫からうめき声やすすり泣く声が聞こえるという噂です。夜にはこの声が悲鳴に変わるといいます。またこの倉庫を開けたことがある者はいないとも言われています。
 サナエさんのうわさ
 昔学園に通っていたすこし変わった少女、サナエさん。彼女はその性格ゆえにみんなからいじめられていました。ある日サナエさんを特にいじめていた少女が彼女を屋上に呼び出し、そこから突き落としてしまいました。しかしサナエさんの遺体は発見されることはありませんでした。そして突き落とした少女は行方知れずになってしまい、サナエさんをいじめていた生徒も数日行方知れずになったのち死体で発見されました。その死体には赤い花が咲いていたといいます。
 プールの袖引き
 学校にあるプールを夜に歩いているとそこに引き込まれてしまうという噂です。噂となってから日が浅いようで、おかしなことにプールからゾンビが出てくるとか、サナエさんが突き落とされたのがこのプールだとか、行方知れずになった少女はこのなかに引き込まれたとかいった派生があります。
 地下からの笑い声
 体育館の地下の倉庫から笑い声のような声が聞こえるという噂です。夜に校舎を歩いているとその笑い声の主に会うことが出来、殺されるとも言われています。
 また、脱出不能の旧校舎から運良く逃げられた人々は地下通路を通ってこの地下倉庫に出てきたとも言われています。
 不老不死の理事長
 理事長は不老不死の怪物だという噂です。理事長は普段滅多に人前に姿を現さず、入学式と卒業式の挨拶に出てくる程度です。長く勤める先生曰く、確かに年齢にしては若い見た目だそうで、あまり外見が変化している様子もないらしいです。
 裏山の洞窟
 裏山にある洞窟に入るとそこに住んでいる化け物にとって喰われて死ぬという噂です。実際に裏山の一部の区画は閉鎖されています。

4.肝試し前の調査
 脱出不能の旧校舎について探索者は調べることを思いつくかもしれません。図書館あるいは資料室で<図書館>に成功すると以下のような旧校舎の見取り図が手に入ります。なお地下室の見取り図も一緒に掲載しますが、それは手に入りません。
旧校舎.png

地図1.png 地図2.png
 また先生に旧校舎について聞くと、15年前に突如閉鎖されて新校舎が建築されたということを教えてくれます。あまりに急な移転だったので生徒はしばらく仮設の校舎を使わざるを得なかったそうです。
 地下からの笑い声に興味を持ち、体育館の地下倉庫に向かおうとする探索者もいるでしょう。
 地下倉庫は薄暗く、蛍光灯が切れているので適切な道具がなければ<目星>にマイナス補正が付きます。
 地下倉庫で<目星>に成功した場合、古びたマットの下の床に金属の枠で覆われている部分があることに気が付きます。マットをどかせば取手のある扉だとわかります。マットをどかすにはSTR30との対抗になります。
 扉は畳一畳ほどあるもので、星のマークが描かれています。鍵がかかっているようで開くことはできません。鍵穴が見当たらないので<鍵あけ>を試みることも不可能です。また扉の材質は周りのアスファルトと違うようです。ただし<博物学>を試みてもこの物体の正体はわかりません。
 探索者は肝試しの計画を他の人に話すかもしれません。大人に話せば強く止められます。もし中等部の生徒が<幸運>に成功すれば、その生徒は同じクラスの数人が肝試しに旧校舎へ行こうか思案していることを盗み聞きできます。

5.旧校舎へ
 旧校舎の周りには街灯はなく真っ暗で、満月の明かりだけが頼りになるでしょう。
 旧校舎の周囲には3mほどのフェンスが隙間なく設置されており、それには有刺鉄線の返しまでついています。入り口にはでかでかと「立入禁止」の文字が見えます。不思議とフェンスの入り口には鍵がかかっていません。<目星>に成功すれば古い南京錠が何か固いもので打壊されて捨てられているのを発見します。また玄関までの道はぬかるんでいますが、<追跡>に成功すれば足跡が4人分あることもわかります。
 旧校舎は4階建ての中型の建物です。窓にはカーテンがかかっていませんが中をうかがうことが出来ないほど、不自然な暗さをたたえています。入り口は大きなガラスの扉ですが、ここからは中の様子が薄ら確認できます。なお窓を割り侵入する試みは一応可能です。
 探索者が入ろうとしなければ石崎が校舎へ入っていくでしょう。全員が旧校舎へ入ると大きな地震が突然起こります。STR*4のロールを全員行います。失敗すると揺れに耐えきれずに転倒し1D3のダメージを負います。また転倒した拍子に持ってきた明かりを壊してしまうかもしれません。
 揺れが収まり、探索者たちがあたりを見回すと入ってきた玄関の扉がピタリと閉まっています。再び開けようとしてもびくともせず、<鍵あけ>しようにも鍵穴が詰まったようになってしまい、道具を弾き飛ばされます。DEX*5あるいは<回避>に失敗すると弾かれた道具で怪我をして耐久力を1点失います。ガラスを割ろうとすると何か見えないものに遮られたように弾かれてしまいます。素手で攻撃した場合耐久力を1点失うほどです。
 得体のしれない旧校舎に閉じ込められたことを自覚し、探索者は1/1D3の正気度を喪失します。

6.玉虫色の液体
 旧校舎では時折玉虫色の液体を見かけることがあります。この液体には2種類あります。
・どちらかと言えば水っぽく、汚い水という印象を受ける液体。汚れとしてこびりついているのも大抵これです。重力に逆らうような力はなく、滴り落ちます。
・べたべたとした粘度のある液体。見た目の印象としては溶岩やヘドロのそれに近いでしょう。腐臭を放っています。床の穴から湧いて出たりと能動的な動きをしているようにも感じられます。
 後者の液体に触れてしまうと引き込まれ、その部分が力強く押しつぶされます。STR20との対抗に成功するまで1D6の耐久力ダメージを負います。
 この玉虫色の物体に対して、石崎はボールペンでつつくという行為に及びますが、瞬時にペンを引きずり込まれてしまい、この物体の危険性を証明することになります。
 この液体に対し<生物学>や<博物学>を試みてもこれが未知の物質だということを確認するだけでしょう。
 またもし探索者たちがガラスを割って侵入していた場合、割れたガラスの部分にいつの間にか玉虫色のべたべたしたなにかが張り付いて補っています。この得体のしれない物体を見てしまった探索者は正気度を1/1D3喪失します。

7.東棟1階
 玄関
 下駄箱が並んでいます。所々開いているところもあります。<目星>に成功すれば、10年以上放置されていたにも関わらず埃があまり積もっていないことがわかります。虫や鼠の死骸と言ったものもありません。<追跡>に成功した場合は足跡が4人分残っていることに気が付きます。
 職員室
 玄関から入って右側の部屋です。古びた事務机が大量に並んでいます。並び方にかなり乱雑なものを感じます。
 職員室には1人の少女がぼんやり突っ立っています。彼女は失踪したはずの生徒会役員、東城由香です。旧式の制服を着て、その上からカーディガンを羽織った彼女の目線は定まらず、虚空を見つめています。<心理学>を試みても彼女の内心を探ることはできず、<精神分析>に成功すれば彼女の精神が正常な状態にないことがわかるでしょう。
 生徒会室で写真を入手していれば彼女がその写真に写っていることがわかります。彼女になにか質問しても首を傾げるといった方法でしか答えません。彼女は唯一自分の名前だけを憶えており、探索者が東城本人か確認すると首を縦に振るでしょう。
 職員用トイレ
 普通のトイレです。ここに探索者が入ると部屋全体から不気味な笑い声が聞こえてきます。まるで部屋そのものが笑っているかのような錯覚に陥るほどです。このような奇妙な現象に見舞われた探索者は0/1の正気度を失います。また水道の蛇口を捻ったりトイレの水を流そうとすると、水の代わりに玉虫色のどろどろした液体が流れ落ちます。この現象を目撃した探索者は1/1D3の正気度を失います。また意図せずして触れてしまった場合は1D3/1D6の正気度を失い、「玉虫色の液体」の項の引き込まれた状態になります。
 生徒指導室
 中には何もありません。壁の一部が崩れて配管のようなものが露出していることが見て取れます。配管に対し<聞き耳>を行えば、中から何かの笑い声のような音と共に、液体が動くような轟音が聞こえるでしょう。
 生徒会室
 中には雑多に書類のようなものが積まれています。まるで不用品置き場のような状態です。地図を手に入れてない場合は<図書館>に成功することで入手できます。また「第28代中等部生徒会役員」と銘打たれた集合写真も見つかります。その写真には東城由香も写っています。
 校長室
 校長用の机や応接用のソファーがそのまま残っており、床にはカーペットが敷かれています。<目星>に成功すると床の一部に不自然なたわみがあることに気が付きます。ただし探索者の持ち物では厚手のカーペットを切り裂いたり、打ち付けられたものをはがすのは困難でしょう。

8.東城由香について
 彼女は16年前に突如失踪した中等部の生徒、東城由香本人に間違いはありません。しかし度重なる冒涜的な実験のせいで精神は崩れ、記憶もほとんど残っていません。覚えていることは自分の名前とこの学校の生徒だったことくらいです。それ以外のどのような質問に対しても彼女は首を傾げるだけで答えません。
 ただ「もう1人ぼっちになりたくない」という動機だけは強く、探索者においていかれそうになると後をついていきます。探索者たちが2手以上に別れようとすると一番人数が多い方についていきます。
 彼女は旧式の制服にカーディガンという出で立ちで、両腕はすっぽり隠れています。その腕を触ろうとか、袖をまくってみようとするか彼女はその手を振り払って嫌がります。その腕には灰色の粘着質の塊がついています。これは校舎にいるショゴスと繋がるための物質ですが、彼女の精神が正常ではないためと物質自体が不完全であるために繋がりは稀薄です。彼女はショゴスには命令を下しません。ショゴスは理事長に「東城由香を旧校舎から出さないこと」を最優先課題として命令されているので、彼女へは攻撃しませんが彼女が旧校舎から脱出しようとすると引き留めます。
 彼女は生徒手帳を持っており、その中には生徒会のメンバーで撮影した写真が挟まっています。KPはタイミングを見て東城にこれを落とさせて、探索者に気づかせてください。その写真には東城を含めた男女数人が楽しそうに写っています。その写真を東城に見せても東城の様子に変わったところはありませんが、ただ一筋だけ涙を流したようにみえます。

8.東棟2階
 廊下
 部屋を3つほど調べた段階で探索者全員は<幸運>ロールを行います。失敗した者のうち一人の首筋に天井から液体が垂れてきて汚します。その液体はべたべたしており、不快なにおいを発していて薄い玉虫色をしています。不意に不快な感触を覚えた探索者は1/1D3の正気度を失います。
 また女子トイレの前を横切るときに<聞き耳>をします。成功すれば中から女の子のすすり泣く声が聞こえてきます。
 なおこれより上に上がる階段もありますが、くずれてしまっていて通行できません。
 3-1
 全体的に薄汚れた印象です。古びた机とイスが少し乱雑な感じで並んでいます。<目星>に成功すれば部屋の所々に玉虫色の汚れがあることに気が付けます。
 3-2
 中で嵐があったのかと思うほど机とイスが乱れています。また床にはべったりと玉虫色の液体が残っています。これに触れると引き込まれます。
 3-3
 部屋の状態は3-1と同様です。<目星>をするまでもなく、教室の中に何か小さな光る物体が落ちていることがわかります。<機械修理>または<電気修理>あるいは<電子工学>に成功すればそれが電池やバッテリーと似た機構を持ったものだと理解できるでしょう。中には黄緑色の水晶のようなものが入っており、それが発光しています。この水晶に対して<博物学>や<博物学>に成功すればこれが探索者の知識の外の物質だと推定できます。
 3-4
 床の一部に大きな穴が開いています。そのそばに靴が左側だけ残っており、それは玉虫色の液体で汚れています。
 3-5
 特になにもありません。
 3-6
 3-2のような乱雑さです。<目星>に成功すればその中から1枚の紙切れを発見できます。新聞のようなもので、見出しは「呪われた砂州良学園!?行方不明者続出の怪」とあり、本文は学園創立以来行方不明になる生徒があまりにも多いことを伝えていますが、大きく掲載不可と書かれています。写真も多く載っており、その中の1枚は生徒会室で見つけた写真に写っていた人物です。写真のキャプションは「第28代中等部生徒会副会長 東城由香」となっています。失踪当時の状況も書かれており「文化祭の準備のために校舎に残っていたはずだが、姿が見えなくなる」となっています。
 この新聞を石崎に見せれば、中等部にも新聞部は存在していて、自分もそこで活動していたと教えてくれます。
 男子トイレ
 この校舎のトイレは東側が男子、西側が女子に割り当てられています。男子トイレには特になにもありません。
 女子トイレ
 女子トイレに入ると、すすり泣きは全員の耳にはっきりと聞こえてくるでしょう。入ってしばらくするとすすり泣きはピタリとやみます。トイレの個室は1つだけ閉まっています。探索者が声をかけると、中から恐る恐る少女が出てきます。彼女は小宮山香帆と名乗ります。
 彼女は左足を怪我しており、全体的に青く腫上ってしまっています。理由を聞くと「床から突然玉虫色の液体がわいてきて引きずり込まれそうになった」と言います。3-4で見つかった靴は彼女のものだったのです。
 彼女はまた、ここには4人で肝試しに来たと話してくれます。探索者が旧校舎のフェンスの鍵が破壊されていることに気が付いていれば、それをやったのは自分たちだとも言います。一緒に来た他の3人は、3-4で自分が引き込まれそうになったときに散り散りに逃げてしまったそうです。あわや引き込まれそうになったところで液体は急に動きを止め、彼女を離し直後大きな揺れが起きたと言います。
 彼女は足を怪我しているので、DEXは3として扱います。ただし<応急手当>または<医学>に成功すればDEXは耐久力の回復量と同量回復します。また彼女は精神的なショックを受けていることが見て取れます。<精神分析>に成功すれば正気度を回復できるほかDEXが1点上昇します。

9.西棟2階
 東棟2階の渡り廊下から東棟に移動が可能です。廊下の様子は西棟のそれと変わりありません。東棟から移ったところで奥から女子生徒の悲鳴が聞こえてきます。
 コンピューター室
 机や古い配線が散乱しています。この部屋にはパソコンはありません。<目星>に成功すれば3-1で見つけたものと同じような物体を発見します。
 コンピューター準備室
準備室には古い印刷機があり、プリントが一枚だけ残っています。そのプリントには「新校舎建設のお願い」と題名があり、今の校舎は耐震性に大きな問題があるので、前々からの計画を前倒しにして新しい校舎を建設、できるまで仮設の校舎に移ってもらう旨が書いてあります。
 美術室
 古びた大きな棚があるだけです。壁に穴が開いており、そこから玉虫色の液体が噴き出しています。液体からは恐らく女子生徒のものであろう足が突き出しています。その足は少しの間じたばたもがきますがその後糸が切れたように力が抜けだらりとします。そして玉虫色の液体に飲まれていきます。この光景を目撃した探索者は1/1D6の正気度を喪失します。ただし小宮山香帆は1D3/1D8の喪失です。引きずりこまれたのは小宮山と一緒に肝試しに来た生徒のようで、彼女は「京子ちゃん!」と名前を言いながら半狂乱になって駆け寄ります。しかし彼女にはどうすることもできず力なくへたり込んでしまいます。
 美術準備室
 美術準備室で<目星>に成功すれば、机の引き出しから一枚のスケッチのようなものを見つけられます。スケッチには湖が描かれており、そこから針山のようなものが突き出ていることがわかります。<クトゥルフ神話>に成功すればそれがグラーキを描いたものだと直感できるでしょう。また<オカルト>、<歴史>や<人類学>に成功すればそれが想像上の怪物の姿であり、そのような怪物の登場する伝承は探索者の知る限り存在しないことがわかります。
 男子トイレ
 男子トイレには玉虫色の液体で汚れた布の表紙の本が見つかります。中はラテン語で書かれているので読むことが出来ず、探索者には英語ではないことくらいしかわからないでしょう。ただ本を開くと中から一枚のメモが落ちてきます。それは日本語で書かれており「魔力変換器」と題があります。内容は以下の通りです。
 「スイッチを入れることで、電気を魔力に変換することが出来る。逆の変換も可能であり、専用のバッテリーをセットすることでバッテリーへ魔力を供給することもできる。」
 またそのメモには追記で以下のような内容があります。
 「ボックスの窪みにバッテリーをセットし、レバーを引くことで電気を供給し地下通路の電灯が利用できる。ただしバッテリーが小さいので1つで一部の通路にしか電気を送れない」

10.西棟1階
 技術室
 大きな机の他に古くて使い物にならないと判断されたであろう工具類が放置されています。中にはバールもあり、これを使えば校長室のカーペットを引きはがすことが出来るでしょう。
 技術準備室
 準備室には鍵はかかっていませんが、何かが引っかかったような状態になっていて開きません。技術室から出て少し待っているとその中から誰かが出てきます。その人物は小宮山と共に肝試しに来ていた生徒、長坂瑛太です。彼はずっと技術準備室に閉じこもっていたのでした。彼はずっとここにいたので当然有益な情報は持っていません。ただ「壁から何かが動くような音と笑い声が聞こえる」と言います。彼の言うことを信じて壁に耳を当てて<聞き耳>を試みれば、確かにそのような音が聞こえてきます。
 音楽室
 朽ちてボロボロになったピアノの中にバッテリーが落ちています。発見には目星が必要です。
 音楽準備室
 音楽準備室の床には穴が開いています。その穴は元々扉がはまっていたかのように真四角で、梯子もかかっています。その中には配線がむき出しになった機械があります。そこには何かをはめられる窪みとレバーがあり、<アイデア>に成功すればその窪みに今までに見つけたバッテリーをはめ込みレバーを引くことで仕掛けが作動することがわかるでしょう。
 窪みとレバーは4つあり、それぞれ1から4の数字が割り振られています。また<電気修理>あるいは<電子工学>に成功すればその機械の一部に見たこともないパーツが使われていることがわかるでしょう。

11.西棟3階
 廊下には一面べったりと薄く玉虫色の汚れがついています。4階へ上がる階段はありますがくずれて通行できません。
 理科室
 割れて使い物にならなくなったビーカーや試験管の類が放置されています。部屋は所々玉虫色の液体で汚れています。ノートの一部と思われるものが落ちています。そこには以下のような記述があります。
「今日は理事長に頼まれて校長室のカーペットの張替えをした。どうでもいいことだが、なぜ校舎を移転することが決まった後で張替えなんかしたのだろうか?」
 理科準備室
 ここには特になにもありません。
 暗室
 中は他の部屋よりさらに真っ暗です。中には小さな光を放つものが落ちています。これは3-1にあるものと同じバッテリーです。
 また<目星>に成功すれば部屋の隅に現像された写真を見つけることが出来ます。この写真には文化祭の準備の様子が写っています。東城も写っており、フリーマーケットの用意をしているようなことがわかります。彼女が着ているカーディガンも写っています。写真は古く、また汚れてしまっているので<写真術>や他の適切なロールに成功しないと東城が写っていること以外わかりません。
 家庭科室
 理科室同様全体的に汚れています。液体がうごめいているところもあります。探索者が準備室から出てくると液体の動きが活発になり触手のようなものを伸ばして探索者に襲い掛かります。<回避>か<跳躍>に失敗すれば引きずり込まれることになります。このような液体の挙動をみた探索者は0/1D4の正気度を失います。
 家庭科準備室
 この部屋にはメモ用紙のようなものが落ちています。そこには以下のようなことが書かれています。
 「生徒の1人に地下室から出てくるところを見られる。細胞を手に抱えていた状態だったので言い逃れもできず、丁度実験材料の調達が必要だったので彼女をそれにすることにした。授業が終わった後でも研究室への出入りは十分気をつけるように」

12.再び東棟へ
 西棟の探索が一通り終わったら東棟の方向から何かが暴れるような大きな物音が聞こえてきます。校長室のカーペットを引きはがす手段も得ていれば自然と探索者の足は東棟へ向くでしょう。
 探索者が東棟へ戻ろうとすると、西棟の1階と3階から轟音が響き渡り、西側の階段から玉虫色の液体が迫ってきます。その液体は触手の様にうごめいて探索者たちを絡め取ろうとしています。この様子を目撃した探索者は0/1D4の正気度を消失します。探索者が東棟へ逃げ終わると、液体はそれ以上追ってきません。しかし渡り廊下全体に留まるため、引き返すのは不可能でしょう。
 東棟は床一面が西棟3階のように汚れています。また壁一面にも同じような液体がべったり張り付いており、こちらはうごめいています。当然触れば引き込まれます。
 校長室
 校長室のカーペットを破るとその下には木製の隠し扉がついています。この扉は床と同化するようにできていて、たわんでいなければ床と扉の見分けがつかないほどです。とってはありませんが扉自体がたわんでいるので手をかけて開くことは容易いでしょう。

13.地下室
 地下室は東棟同様に汚れています。また東棟よりさらにつよい悪臭を放っています。
 手前の部屋
 部屋は3つあります。手前の部屋には書き物机や本棚があります。本棚の本は大部分が失われています。しかしアルバムのようなものが数冊残っています。そこには真黒なヘドロの塊のような写真や、今まで見てきたような玉虫色の液体の写真が多く残っています。<クトゥルフ神話>に成功すればこれがウボ=サスラの細胞からショゴスを生成する過程の一部だと理解できます。そのように理解してしまった探索者は<クトゥルフ神話>に+3%、1D4/1D8の正気度を喪失します。
 また書き物机には数枚の紙が残っています。これには大きくバツが書いてあり、また汚れているので読解に<日本語>が必要です。読解に成功すれば、以下のような記述を得られます。
 「とうとうあれが暴走してしまった。兆候はあったものの、『印』があれば大丈夫だろうと油断していた。元々もう役に立たないだろうと考えてはいたし、廃棄するつもりではあったが、中等部校舎ごとになるとは思っていなかった。他の教員や保護者に疑われただろう。ほとぼりが冷めるまで研究は控えるしかあるまい」
 書き物机にはその他に、手の平大の黄緑色の水晶がおいてあります。この水晶はバッテリーの中に仕込まれていたものと同じだとわかります。
 奥の部屋
 奥の部屋には大きな水槽が一つ鎮座しています。その手前には檻のようなものがいくつかと何かの実験をしていたであろう机がみられます。机の上には真黒な液体(ウボ=サスラの細胞)で満たされた瓶がいくつかと古びた鍵があります。
 檻のうちいくつかにはしなびた人間の死体が入っています。また空の檻には手錠がついていますが、錆びて壊れています。
 誰かが水槽に近づくと、水槽の中に満たされた玉虫色の液体は突然チカチカと発光します。そして目を開くように眼球が表面に無数に出現し、それら一つ一つは探索者を見下ろすと、耳障りな声で「てけり・り」と鳴きます。すると部屋全体が大きな揺れに見舞われ、水槽にひびが入ります。このような冒涜的な存在を確認してしまった探索者は1D4/1D10の正気度を喪失します。
 地下通路への階段
 ひびの入った水槽は1D10+2Rで完全に砕け散ります。そして部屋からあふれ出して探索者に迫ってきます。通路の一番奥には錆びた鉄の扉があります。これを開くには鍵が必要です。
 扉を開けた先には地下へ続く梯子があります。NPCを含めパーティーのメンバーは全員そこへ入っていくでしょうが、東城だけはぼうっと梯子の方を向くだけで動こうとしません。探索者は彼女に声をかけるかもしれません。あるいは手を伸ばしたり、とったりするかもしれません。そうすると彼女は蚊の鳴くような声で「置いてかないで……」とつぶやきます。そして手を伸ばします。その手にはべったりと灰色の粘着質の塊が張り付いています。
 探索者がそれに怯むと彼女の背後からショゴスがあの独特の笑い声を響かせながら到達します。そして彼女を飲み込むと体に生れた無数の口は一斉に開き「置いてかないで!」と叫びます。その轟音は地下室全体を揺るがすほどのものです。

14.東城からの逃走
 ショゴスと一体化した東城はその上半身をショゴスの体から突き出して探索者を追いかけます。追いかけている間中、ショゴスの体にある口は「置いてかないで」「一人にしないで」と叫び続けます。
 ショゴスは通路を埋めてしまっているため彼女のうしろへ逃れることは不可能です。彼女はショゴスから上半身を突き出して、手で探索者を捕まえようともがきます。探索者を捉えると抱き着くように押さえつけ、ショゴスと共に押しつぶしを行います。これによる耐久力ダメージは3D6で、捕まっている者がSTR20との対抗に勝つまで続きます。なおこの対抗には他の探索者も参加できます。
 ショゴスから逃げ切るためには所定の回数抵抗ロールを行います。ショゴスのDEXは7ですが、バッテリーを利用して通路の電源を入れていた場合はその部分でのDEXは4になります。
 ショゴスとのDEX対抗ロールに2回失敗すると追いつかれます。その状態でさらに失敗するとショゴスからの攻撃を受けます。
 探索者やNPCの1人が捕まり、ショゴスによる押しつぶしを受けている間東城は行動できないのでDEX対抗は自動成功となります。誰かがショゴスに捕まった段階で<アイデア>に成功するとこのことに気が付くでしょう。押しつぶしにより対象が死亡または気絶した場合ショゴスは対象を飲み込み、再び追走を始めます。

15.地下通路
 地下通路のスタートはB列の奥からです。地下通路は下水道を模したような見た目をしており、探索者の足元にある金網の下には実際に下水が通っています。中は酷い悪臭が充満しています。
 B列の手前にはC列とA列に続く分かれ道があります。どちらとも同じような見た目をしており、パッと見ではどこへ続いているか判断できないでしょう。その分かれ道まで到達するまでにショゴスとの対抗ロールを2回成功させる必要があります。
 A列へ続く道はさらに2手に別れています。左は完全に行き止まりです。右も一見すると行き止まりですが、<目星>に成功すれば人一人がやっと入れる配管があることに気が付きます。A列の端まで移動するのに2回の対抗ロールに成功する必要があります。
 配管を移動するには、まず移動の順番を決めます。そして探索者のSTRでショゴスのDEXと対抗します。ショゴスのDEXは4となります。ただし失敗した者の後ろにいる者は全員失敗扱いとなり。ショゴスの攻撃は後ろにいる者から標的となります。
 C列は左に行くとD列に続く道に到達します。またその向かいには厳重に鍵のかかった鉄製の扉が見えます。右へ行くと下水が流れ落ちている空間があり、行き止まりになっています。<目星>に成功すれば、その空間に梯子がかかっていてD列に続く道があることがわかります。どちらへ向かうにも対抗ロールに1回成功する必要があります。梯子を登るにはさらに1回の対抗ロールが必要です。
 D列からは完全に一本道です。ただし途中に太い配管が横切っており、それを超えるには<跳躍>か<登攀>に成功する必要があります。また既に登り切った人はまだ登っていない人に手を貸すことも可能です。その場合は引き上げられる人のSIZと引き上げる人のSTRの対抗になります。複数人で引き上げることも可能です。パイプまで到達するのに2回、出口に到達するのに2回のロールが必要です。
 D列の一番端に到達すると、天井の部分に畳にして一畳ほどの大きさの扉があることに気が付きます。これを押し上げるにはSTR40と対抗して成功する必要があります。この対抗には何人でも参加できます。ただし旧校舎に赴く前に体育館の地下倉庫に行き、扉の上にあるマットを動かしてそのままにしていた場合はSTR20との対抗です。
 扉を開けた先は体育館の地下倉庫です。扉を閉めてしばらくすると探索者を追ってきていた笑い声や地鳴りがやみ、化け物が追跡を諦めたことがわかるでしょう。

16.報酬
 旧校舎から生還した場合1D8の正気度を回復します。また一緒に生還したNPC1人につきさらに1D6の正気度を回復します。
 生還した探索者は<クトゥルフ神話>に+5%、<オカルト>と<博物学>と<応急手当>に経験ロールを行えます。
石崎千恵子と生還した場合、彼女との交流で<写真術>と<機械修理>に経験ロールを行えます。
 小宮山香帆と生還した場合、彼女との交流で<生物学>と任意の芸術技能の経験ロールを行えます。
 長坂瑛太と生還した場合、彼との交流で回避を含む任意の戦闘技能と<電気修理>に経験ロールを行えます。
posted by 新橋九段 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CoCシナリオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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